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新聞に、みやざきひろかずイラスト原画展のお知らせが載っていたので、 掲示板の方に詳細をupしておきました。 9月30日(月)〜10月11日(金) なんでまだちょっと先ですね。場所は大阪です。 俵万智さんとのアトラクションも、何かあるようです。 忘れないように、下のお知らせ欄にも書いておきました。
ちなみにこの、みやざきひろかず氏は、私の超お気に入り絵本『猫の預言者』の作者です。 原画展… 見に行きたいな〜。
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「謎物語〜物語の謎〜」のKOZIさんから移転のお知らせが来ましたので、 「未知の風景」のKOZIさんのサイトアドレスを変更しました。
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昨日読了の本
・北村薫「六の宮の姫君」創元推理文庫
円紫さんと私シリーズの第4弾。
『六の宮の姫君』というのは、芥川龍之介の作品である。 卒論を控えた《私》は、今回この『六の宮の姫君』の謎に迫る。
昔良くあった、写楽の正体を追え!とか、百人一首の秘密とかいう 謎解きミステリーと、これも同じような路線である。 ではあるのだが、このお話は作者が北村薫。 SFにもキワモノミステリーにもなっていない分、 日本文学の基礎知識が無いと難しい、難しい。 それでもそんな事はお構いなしに読ませてしまうのが、北村薫の凄いところかもしれない。
もっとも、こちらは記憶力がてんでペケで、知識の無い事柄は読んだ端から 忘れてしまう体質なので、本当は仔細に読んでいけば、解説は全て織り込まれている のかもしれないが、そこは痴呆症の悲しいところ、イマイチ追いかけきれない。 が、そういう話ゆえ、すこしでも日本文学の知識のある人になら、 これは相当に面白いのでは…と思えてならない。
日本文学って、気が付いたらまるっきり読んでいない。 芥川にしても『羅生門・鼻・芋粥・蜘蛛の糸・杜子春』くらいは読んでるけど、 つか、教科書に載ってた…程度、菊池寛なんかひとつも読んでない、 志賀直哉は何ぞの授業で習ったけど、直木三十五なんてこれ読んで 「あ、直木賞の人って、こういう名前だったんだ…」てな具合。 まして、時代遡って今昔物語なんて、地平の彼方…。
当然『六の宮の姫君』など、名前も初めて聞きました…状態。 なんだけど、この本読了後、ついうっかり芥川を改めて…とか、 菊池を改めて…とか思ったくらい、日本文学の魅力を伝えてくれる。 ここまで思わせてくれる物語はちょっと珍しいかもなぁ。
ちなみに今回は、いつものタンテイさんがスーパーマンしてません。 基本的には《私》が凄く頑張って推理してます。 そんな処もとても面白かったですね。
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さて、多分ネタバレ箇所ではないと思うので、ちょっと面白かった部分をひとつ。
主人公が出版関係の人から、菊池寛をどの程度読んだのか聞かれるシーンがある。 主人公が『真珠夫人』は読んだ…と言うと、「今時、千人に聞いても読んでないわよ」と 笑われる…という処だ。 そしてその後、「テレビの原作にぴったりの本云々」と会話が続くのだ。
そう、この『真珠夫人』、少し前に昼メロドラマとして放送されていて、 その大胆な演出(昼メロなんでエロいしドロドロなのである)が評判で、 かなりの高視聴率を得ていたのだ。 お影で菊池寛の『真珠夫人』も復刊し大いに売れた…という事態だった。 まさに“今時”、その辺のTVドラマ好きのマダム千人に聞いたら、 相当数が読んでいそうだ。
昨日読んでいて、この部分で思いっきり笑ってしまった。 いやいや、2年前に読んでいてもこの部分は流してしまった箇所であろう。 当の北村も、まさかこの時代になって、自分の予言(?)が当るとは、 想像もしていなかったのではないか…と可笑しかった。 それにしてもなかなかの先見の明ではないか。 流石は北村薫である。やっぱり面白い。
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そしてもうひとつ、《私》が、全くの見ず知らずの人と、見ず知らずのままに “魂のデート”をするシーンがある。これには参った。 そして、こんなデート、是非してみたいものだと、つくづく思った次第である。
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そして最後に、羽根と胴体の比率を考えると理論上は飛べない筈なのに、 堂々と飛んでる蜂がいる…という話が可笑しかった。 以前の小説書くのに取材した時のネタなんだろうな…って、ちょっと思いました。
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めいめい> ネガティ部のは、アイコンぢゃなくてバナっすよ(笑) で、10月も新刊出るの?! 期待してます〜vvv
いや、10月「は」他人事やし…(爆)
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某所を読んでボロボロ涙…。 嗚呼、こういうオリジナルを書ける人って、やっぱりすげぇや…とつくづく…。 でも、自分には書けない…なんて卑下してないで、 素直にボロボロして、素直に、えぇなぁ…と悦ろう。 だって、その方がずっと楽しいから。 労無く読ませてもらえる幸せってのがあるんだから。
キリスト者じゃない私でも、神様っているんだね…って、 思わず思ってしまうような小品…、それは素敵なものだと思う。
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