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2002年09月07日(土) 六の宮の姫君

新聞に、みやざきひろかずイラスト原画展のお知らせが載っていたので、
掲示板の方に詳細をupしておきました。
9月30日(月)〜10月11日(金) なんでまだちょっと先ですね。場所は大阪です。
俵万智さんとのアトラクションも、何かあるようです。
忘れないように、下のお知らせ欄にも書いておきました。

ちなみにこの、みやざきひろかず氏は、私の超お気に入り絵本『猫の預言者』の作者です。
原画展… 見に行きたいな〜。

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「謎物語〜物語の謎〜」のKOZIさんから移転のお知らせが来ましたので、
「未知の風景」のKOZIさんのサイトアドレスを変更しました。

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昨日読了の本

・北村薫「六の宮の姫君」創元推理文庫

 円紫さんと私シリーズの第4弾。

 『六の宮の姫君』というのは、芥川龍之介の作品である。
 卒論を控えた《私》は、今回この『六の宮の姫君』の謎に迫る。

 昔良くあった、写楽の正体を追え!とか、百人一首の秘密とかいう
 謎解きミステリーと、これも同じような路線である。
 ではあるのだが、このお話は作者が北村薫。
 SFにもキワモノミステリーにもなっていない分、
 日本文学の基礎知識が無いと難しい、難しい。
 それでもそんな事はお構いなしに読ませてしまうのが、北村薫の凄いところかもしれない。

 もっとも、こちらは記憶力がてんでペケで、知識の無い事柄は読んだ端から
 忘れてしまう体質なので、本当は仔細に読んでいけば、解説は全て織り込まれている
 のかもしれないが、そこは痴呆症の悲しいところ、イマイチ追いかけきれない。
 が、そういう話ゆえ、すこしでも日本文学の知識のある人になら、
 これは相当に面白いのでは…と思えてならない。

 日本文学って、気が付いたらまるっきり読んでいない。
 芥川にしても『羅生門・鼻・芋粥・蜘蛛の糸・杜子春』くらいは読んでるけど、
 つか、教科書に載ってた…程度、菊池寛なんかひとつも読んでない、
 志賀直哉は何ぞの授業で習ったけど、直木三十五なんてこれ読んで
 「あ、直木賞の人って、こういう名前だったんだ…」てな具合。
 まして、時代遡って今昔物語なんて、地平の彼方…。

 当然『六の宮の姫君』など、名前も初めて聞きました…状態。
 なんだけど、この本読了後、ついうっかり芥川を改めて…とか、
 菊池を改めて…とか思ったくらい、日本文学の魅力を伝えてくれる。
 ここまで思わせてくれる物語はちょっと珍しいかもなぁ。

 ちなみに今回は、いつものタンテイさんがスーパーマンしてません。
 基本的には《私》が凄く頑張って推理してます。
 そんな処もとても面白かったですね。

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 さて、多分ネタバレ箇所ではないと思うので、ちょっと面白かった部分をひとつ。

 主人公が出版関係の人から、菊池寛をどの程度読んだのか聞かれるシーンがある。
 主人公が『真珠夫人』は読んだ…と言うと、「今時、千人に聞いても読んでないわよ」と
 笑われる…という処だ。
 そしてその後、「テレビの原作にぴったりの本云々」と会話が続くのだ。

 そう、この『真珠夫人』、少し前に昼メロドラマとして放送されていて、
 その大胆な演出(昼メロなんでエロいしドロドロなのである)が評判で、
 かなりの高視聴率を得ていたのだ。
 お影で菊池寛の『真珠夫人』も復刊し大いに売れた…という事態だった。
 まさに“今時”、その辺のTVドラマ好きのマダム千人に聞いたら、
 相当数が読んでいそうだ。

 昨日読んでいて、この部分で思いっきり笑ってしまった。
 いやいや、2年前に読んでいてもこの部分は流してしまった箇所であろう。
 当の北村も、まさかこの時代になって、自分の予言(?)が当るとは、
 想像もしていなかったのではないか…と可笑しかった。
 それにしてもなかなかの先見の明ではないか。
 流石は北村薫である。やっぱり面白い。

 +++

 そしてもうひとつ、《私》が、全くの見ず知らずの人と、見ず知らずのままに
 “魂のデート”をするシーンがある。これには参った。
 そして、こんなデート、是非してみたいものだと、つくづく思った次第である。

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 そして最後に、羽根と胴体の比率を考えると理論上は飛べない筈なのに、
 堂々と飛んでる蜂がいる…という話が可笑しかった。
 以前の小説書くのに取材した時のネタなんだろうな…って、ちょっと思いました。

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めいめい>
 ネガティ部のは、アイコンぢゃなくてバナっすよ(笑)
 で、10月も新刊出るの?!
 期待してます〜vvv

 いや、10月「は」他人事やし…(爆)

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某所を読んでボロボロ涙…。
嗚呼、こういうオリジナルを書ける人って、やっぱりすげぇや…とつくづく…。
でも、自分には書けない…なんて卑下してないで、
素直にボロボロして、素直に、えぇなぁ…と悦ろう。
だって、その方がずっと楽しいから。
労無く読ませてもらえる幸せってのがあるんだから。

キリスト者じゃない私でも、神様っているんだね…って、
思わず思ってしまうような小品…、それは素敵なものだと思う。


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