Experiences in UK
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2004年09月20日(月) 第58週 2004.9.13-20 英国の翳り?、ものが壊れる

このところ、個人的に興味・関心を持っている領域で、英国に関する冴えないニュースがたて続けに聞こえてきます。

(ラグビー監督辞任騒動)
まず、ラグビーですが、8月の終わり頃にイングランド代表チームのキャプテンであるローレンス・ダラリオが突如、代表キャプテンから身を引くことを発表しました。そしてその直後には、監督のサー・クライブ・ウッドワードの去就がメディアの注目を集めました。協会との間で代表チームの強化方針をめぐる軋轢が増し、やめる・やめないの問題に発展したのです。
すったもんだの末にやめることになったようなのですが、ウッドワードは地元のサッカー・チーム監督の座への転身をねらっているらしく、「そもそもラグビーよりもサッカーの方が何十倍も好きだったんだ」との捨てぜりふを残してやめていったのには驚きました。昨年、W杯優勝を果たしてイングランド中を熱狂の渦に巻き込み、サーの称号まで授与されておいて、そのせりふはないだろうという感じです。

(F1移籍騒動)
そして、F1の世界においても、先月初め頃に晴天の霹靂といった感じのニュースが伝えられました。BARホンダの英国人ドライバー、ジェンソン・バトンの来季以降のウィリアムズBMWへの移籍です。
今シーズンのBARホンダはシーズン前の予想を遙かに上回る好成績を残しており(現在チームランキング2位)、とりわけバトンはチームを盛り立て、牽引してきただけに「なぜ?」と感じたのは私だけではありません。BARのチーム関係者にとっても晴天の霹靂の知らせだったらしく、感情的な面を含めて大きな問題になりました。BARとの間に2005年までドライバー契約があるバトンの移籍は、契約書の盲点をついたものらしく、現在も法的な係争が続いています。
英国人の若手有望ドライバーによる突然の移籍騒動は当地メディアでも様々な議論を呼んでおり、FT紙のスポーツ欄でも論説記事に取り上げられていました。「勝てると考えるチームに移籍するのはスポーツの世界では常にあることだけど、周囲とのコミュニケーションを怠ったバトンのやり方は禍根を残すだろう」と、バトンの振る舞いに対して大人の立場からたしなめるような意見でした。

(英国の翳り?)
ラグビー・イングランド代表チームは、今年に入ってから一転して負けがこんでおり、昨年までの常勝軍団がウソのようなていたらくです。監督とキャプテンの交替がチームの再生につながる可能性もありますが、しばらくは立て直しに時間がかかりそうです。また、バトンについては、名門ウィリアムズへの移籍が吉と出る可能性も少なくないでしょうが、今回の一件でF1界に生きる人間としての評価にミソをつけたのは事実であり、さらに上昇気流に乗った新興チームを捨てて名門チームへ移籍するギャンブルにどの程度の勝算があるのかは難しいところです。
これらのニュースが、国として数十年ぶりのピークにあるとも言える現在の英国の勢いに翳りがさし始める予兆でなければよいのですが・・・。

(ものが壊れる)
実は、個人的な英国生活においても冴えない出来事が続いています。最近ものがよく壊れるのです。
先日、DVDプレーヤーが作動しなくなりました。一年前に入居した際に新調したものです(日立製)。
今週末、家の中の電球を3つ取り替えました。英国の一般家庭には蛍光灯というものがほとんど存在せず、当家の照明器具はことごとく電球なのですが、これがしょっちゅう切れます。あまりに切れるので大量に買ってストックしてあるのですが、いちいち替えるのが面倒で放置していたものをいっせいに取り替えました。しかし、うち一つはソケットに問題があるらしく、取り替えてもついたり消えたりする始末です。

そして、もっとも厄介だったのが、車のバッテリーが老朽化により上がってしまったことです。一年前に購入した95年式の中古車(トヨタ)なので仕方ないのですが、事態は予想以上に深刻でした。
日本のJAFに相当するロードサービス会社と契約していたので、電話をしたところすぐに来てくれました。そこまでは良かったのですが、エンジンのリスタートくらいすぐに済むと思っていたのにいっこうにエンジン音が聞こえてきません。尋ねると、車のセキュリティー・システム(イモービライザー)がリセットされてしまってエンジンがかからない状態になっているとのことでした。車を購入した際、前のオーナーから「この車には一つだけ問題があって、セキュリティー・システムが作動しなくなっている」とのことで受け渡されたはずなのですが、バッテリーが上がったことで再び作動し始めてしまったようです。結局、セキュリティー解除のためにガレージ行きとなってしまいました。

DVDプレーヤーはうちの息子が犯人のような気がしますし、車の件もいずれは訪れた不幸だったのでしょうが(それでも日本の車検に当たるMOT検査の直後だったのでちょっと納得いかないのですが)、一年暮らしてものがぼろぼろと壊れ始めるというのはいかにも英国らしいような気がしています。


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