明後日の風
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冬枯れの晴天。 こちらは「太平洋側デス」、と言わんばかりに、冬の乾燥した空気が広がっている。当然に「さむぅぅ〜」、と身震いするような朝でもある。
朝のドライブは快調だ。何より景色がいい。だから自然と快調な気分にもなるよね、ということだ。 甲府盆地に入ると白一色の白峰三山や、「キリッ!、」とした甲斐駒ヶ岳を拝むことができる。
「さあ〜て、登りますか」 友人に声をかけて、山を目指す。 広々としたダートの林道からはじまる登山道は、少しずつ勾配を増しながら一直線に頂に続いている。中間地点の女岩を過ぎると、岩を巻くように葉の落ちた雑木林の中のつづら折りの急登となり、落葉を踏む、「ザッザッ、」という足音と我々の雑談の声だけが響いていく。
尾根に出た。
金峰山が美しい。 そして深田久弥終焉の地へ。10年ぶりの訪問だ。 前回は「随分きつい山だなぁ〜」と思ったのだが、今回はそうでもない。暖かい日差しに支えられたのか、とも思うのだが、一方で、この10年の山の経験がそれなりに貢献しているんだろうな、とちょっとだけ自分を褒めたりもする。そういう尺度を、深田久弥が与えてくれている、と思うと、やはりありがたい、という気持ちにもなる。
細い岩場を辿るように登ると、ほどなく山頂だ。 振り返ると、雲上の富士が美しい。
「10年後にまた来ますね」 そんな気持ちになって、茅ヶ岳を後にする。合掌。
さわ
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