星の行方(レックナート視点2プレイ記)
DiaryINDEXpastwill


2002年04月23日(火) 裏切り

何か可愛いわねえ、身長の事を気にするアナベルって!!
ねえちょっとルック…って、あら、もう寝ちゃったの?


ナナミ「お帰り、きくまる。待ってたんだよ。ね、そろそろアナベルさんのところへ行こう」
ああそうだ。ゲンカクじいちゃんのことが先だ。



ジョウイ「すみません、アナベルさん。失礼して良いですか?」
アナベル「どうぞ…でもジョウイ、今時分、何の用なの?」

ジョウイ「あなたの命を…もらいに来ました」

アナベル「このミューズ、そして都市同盟を守る事…多くの人々が穏やかに暮らせる日々を守る事。
それが、私の成すべき事。
それを遮ってまで、やるべき事が、あなたにはあるというの?」
ジョウイ「ぼくにも、成すべき事があります」
アナベル「ならばジョウイ、あなたには、その重さに耐えられる覚悟があるのね?」



先にお連れが来てるって。どういう事だろう。
部屋にはジョウイがいた。

ジョウイ「きくまる…」

横たわるアナベルさん。血に染まるジョウイの手。これは。

きくまる「これは一体…まさか」

ジョウイ「すまない…きくまる」

ナナミ「ま、待ってよ、ジョウイ」

消え入りそうなナナミの声。

それを無視して、窓から逃げるジョウイ。

ジョウイ。君は。

ジェス「アナベル様!王国軍が夜襲をかけてきました!アナベル様!…こ、これは…」
王国軍が市内に侵入した。中に手引きをしたものがいるらしい。

ジョウイだ。

ジョウイが、ぼくを、ぼくとナナミを、裏切ったんだ。

アナベルさんが何かしゃべっている。
アナベル「きくまる…ゲンカクの子…あ、あなたには、謝らなければならなかったのに…
都市同盟が、我が父が、ゲンカク老師にした事を…」
ナナミ「アナベルさん、あ、あんまりしゃべっちゃ…」
…いや。聞こう。きっともう、これが彼女の。
アナベル「きくまる、ナナミ…お、お前達は、ゲンカクの許で、幸せだったか…」
きくまる「はい…」
ナナミ「う、うん…もちろんよ…」
アナベル「そうか…な、ならば、少しは、我が心も、安らぐ…」

もっと聞きたかったよ、アナベルさん。あなたから教わりたい事がたくさんあったのに。
アナベル「さあ、早く、逃げなさい…王国軍は真っ先にここに向かってくる」
ナナミ「で、でも」
アナベル「私の、最後の願いだ。死ぬな。きくまる、ナナミ…生きて…さ、さあ、早く。早く行け!!」

ナナミ「…いこう、きくまる」
うん。いこうナナミ。
ぼくらは生きなきゃ。生きて、それから。


苔田 |MAIL