女の世紀を旅する
DiaryINDEXpastwill


2004年12月31日(金) 2004年 内外10大ニュース

 

2004(平成16)年 10大ニュース
                   2004/12/31






■【 国内10大ニュースの解説 】■   (共同通信)  

 今年の日本は、6月から10月にかけての台風、集中豪雨、猛暑、10月の新潟県中越地震と大きな災害に見舞われ、天変地異の怖さを思い知らされた。イラクには2月に復興支援の目的で自衛隊が派遣されたが、現地では邦人3人が殺害、人質事件では「自己責任」論も噴出した。12月には対米重視で一年間の派遣延長を決定したが、出口は見えないままだ。

北朝鮮の拉致被害者家族の帰国が5月に実現、曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんの来日も実現した。しかし、偽の遺骨を提出するなど北朝鮮政府の不誠実な対応も明らかになり、日朝交渉は展望が見えないまま。政界は7月の参院選挙で民主党が躍進。自民党は低迷したが、小泉純一郎首相の人気は健在。国民年金保険料の未納問題は、政界にまで波及、成立はしたものの年金改革法の審議に影響した。

三菱自動車、西武鉄道、ダイエーといった大企業が、不祥事や経営悪化で伝統あるブランド力を失い、戦後日本経済をけん引したカリスマ経営者も引退を迫られた。6月には長崎県で小学校6年生の女児が同級生を殺害、子どもの虐待や通学途中の誘拐など、子どもをめぐる事件が目立った年でもあった。

皇室は皇太子妃雅子さまについての皇太子の「人格否定」発言で話題を投げ掛けたが、12月には天皇家長女の紀宮(のりのみや)さま(35歳)と黒田慶樹(よしき)さん(39歳)のご婚約が決まり明るいニュースとなった。社会現象では韓国のテレビドラマ「冬のソナタ」(ペ・ヨンジュが人気化)をきっかけに「韓流」ブームが加速した。



●1位 新潟県中越地震で死者40人

土砂に埋まった車の中から救急隊員に救出された皆川優太ちゃん=10月27日、新潟県長岡市●●新潟日報提供●●
10月23日午後5時56分ごろ、新潟県中越地方を震源とするマグニチュード6・8の地震が発生、川口町では震度7を観測、40人が死亡し負傷者は約3000人。走行中の新幹線が初めて脱線した。避難生活者は一時10万人を超え、被災者の多くは仮設住宅暮らしを余儀なくされた。新潟県によると、住宅や道路、橋の倒壊など被害総額は約3兆円。

●2位 イラクで邦人殺害、自衛隊を派遣

クウェートから国境を越え、イラク入りする陸上自衛隊本隊第1陣の車列=2月8日、イラク南部のサフワン(共同)
5月27日、バグダッド近郊で日本人フリージャーナリスト2人が銃撃を受け死亡。10月26日には邦人1人がイラクの武装組織に拘束され、その後遺体で発見された。人質邦人救出をめぐっては「自己責任」が議論になった。2月にイラクの復興支援を目的に自衛隊が派遣され、南部サマワで支援活動に当たった。政府は12月に派遣の1年延長を決めた。

●3位 台風の上陸が最多の10個

10月にかけ台風が相次いで日本列島に上陸、集中豪雨も加わって各地で多数の死者・行方不明者が出た。内閣府によると、被害総額は1兆2000億円。中でも10月に襲来した台風23号は猛威をふるい、野菜などの高騰を引き起こした。8月は全国で記録的な猛暑、東京では過去最長の40日連続の真夏日となった。

●4位 拉致被害者の家族帰国

5月22日、拉致被害者の蓮池さん、地村さん夫妻の子ども5人が帰国。曽我ひとみさんは、娘2人と夫のジェンキンスさんと7月に再会。ジェンキンスさんは軍法会議で実刑判決を受けたが、11月に刑期を短縮して釈放された。日朝実務者協議で持ち帰った横田めぐみさんのものとされた遺骨は、DNA鑑定の結果、偽物と判明、北朝鮮に対して経済制裁を求める声が強まった。

●5位 プロ野球大再編 選手会はスト

プロ野球は、近鉄とオリックスが合併、インターネット大手の楽天の参入により50年ぶりに新球団が誕生、通信大手のソフトバンクも福岡ダイエーを買収するなど、大再編が起きた。再編をめぐる日本プロフェッショナル野球組織との交渉が決裂し、選手会は9月に史上初のストライキを決行した。

●6位 三菱自動車,西武など不祥事

6月10日、三菱自動車製大型車の欠陥事件で同社元社長らが業務上過失致死の疑いで逮捕され、三菱ふそうの前会長らも虚偽報告容疑で逮捕。西武鉄道は、少数株主の保有比率を有価証券報告書に虚偽記載していたことが判明し、堤義明氏が西武グループの全役職を辞任。西武鉄道は上場廃止。ダイエーは10月13日、自主再建を断念。産業再生機構に支援を要請するなど、有名ブランドが相次いで失墜した。

●7位 小学6年の女児が同級生を殺害

6月1日、長崎県佐世保市の小学校で、小学6年の女子児童が同級生女児にカッターナイフで首を切りつけられて死亡した。女児は補導され、自立支援施設に送致された。奈良市では11月17日、小学1年女児が下校時に誘拐・殺害された。親による子どもへの虐待が頻発、下校途中に児童生徒が狙われる事件が増加、子どもの安全が脅かされた。

●8位 国民年金未納問題が政界に波及

4月、国民年金保険料の未払い・未加入問題が政界に波及、福田康夫官房長官が5月に辞任、民主党の菅直人代表も未納の発覚で代表を辞めた。未納問題で国会は混乱したが、6月5日、将来の保険料負担増と給付抑制を柱にした改革法案が成立した。

●9位 参院選挙で民主党が躍進,自民は低迷

7月11日に投開票された参院選挙は、民主党が順調に票を伸ばして50議席を獲得したのに対して、自民党は改選議席を下回って49議席にとどまった。民主党は、小沢一郎代表代行が年金の未加入期間があったことから代表選への立候補を辞退、5月18日、両院議員総会で岡田克也氏を新代表に選出した。

●10位 79年ぶりで鳥インフルエンザ

1月12日、農林水産省などは山口県の養鶏場で79年ぶりで鳥インフルエンザが発生したと発表。その後、大分、京都府でも発生、兵庫県姫路市の浅田農産社長が京都府の同社農場で飼育する鶏に感染の疑いがあると知りながら届け出を怠ったとして、3月31日、京都府警に逮捕された
 




■【 国際10大ニュース解説 】■

 イラク開戦が十大ニュースのトップとなった昨年に続き、ことしもイラク情勢を筆頭に、戦争、テロの暗く重いニュースが並んだが、アテネ五輪、米大リーグでの日本人選手の大活躍が一服の清涼剤となった。

イラクの連合国暫定当局は6月、暫定政府に主権を移譲したが、その後も反米勢力の抵抗はやまず、11月には月間の米兵死者が開戦以来の最多を記録。一方で、米調査団が開戦時に大量破壊兵器は存在しなかったと議会に報告、戦争の大義は大きく揺らいだ。

11月の米大統領選挙では、大統領交代を通じた米国のイラク政策転換を期待する声が欧州などで高まる中、ブッシュ大統領がケリー上院議員を破って再選。議会でも共和党優位が確立した。

イラク戦争に絡み、スペインで3月、列車同時爆破テロが発生。ロシアではチェチェン独立派によるテロが相次いだ。アラファト・パレスチナ自治政府議長の死で中東情勢の先行きは不透明さを増し、経済成長を続ける中国では、胡錦濤国家主席が党、政府、軍の三権を掌握した。

年末のスマトラ沖地震(M9・0)は大津波を引き起こし、南アジア各国を中心に日本人観光客らを含む12万4千人超の死者、行方不明者を出した。

9月に史上初めて1バレル=50ドルの大台を突破したニューヨーク市場の原油先物は、その後も不安定な値動きを続けた。鳥インフルエンザでは12月、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、中国、韓国が今冬の流行を防止するための閣僚級会合を開いた。



●1位 スマトラ沖地震と津波で12万以上の死者・行方不明

12月26日、インドネシア・スマトラ島沖で発生したマグニチュード(M)9・0の史上最大級の地震は、インド洋に大津波を引き起こした。スリランカ、インド、タイ、マレーシアなどを襲った津波は、プーケット島などの人気観光スポットも直撃、日本人観光客らも行方不明となった。インドネシアも含め南アジアを中心に死者・不明者は12万人以上の大災害となった。


●2位 イラク情勢混迷 テロ頻発

連合国暫定当局は6月28日、暫定政府に主権を移譲したが、その後も反米勢力の抵抗やイラク治安部隊などを標的としたテロはやまず、米兵死者は11月に月間としては開戦以来最多の136人を記録。12月21日には北部モスル近郊で開戦以来最大規模の米軍基地への攻撃が発生。開戦当初からの死者は1300人を超えた。アブグレイブ刑務所での米兵による組織的ともみられるイラク人捕虜虐待も発覚。米調査団が、開戦時に大量破壊兵器は存在しなかったと議会に報告し、戦争の大義が大きく揺らいだ。


●3位 ブッシュ米大統領再選

イラク戦争、テロ対策を主要な争点として11月2日に行われた米大統領選挙で、ブッシュ大統領が大接戦の末、民主党候補のケリー上院議員を破り、再選された。閣僚十五人のうちパウエル国務長官ら七人の退任が確定。大統領は後任の国務長官に腹心のライス大統領補佐官を指名するなど、忠誠心を重視する人事を進めた。共和党は議会選挙でも上下両院での優位を拡大した。

●4位 アテネ五輪で日本大活躍,金16個

108年ぶりに生誕の地アテネで8月に開かれた五輪で、日本は金16、銀9、銅12の計37と、史上最多のメダルを獲得。金は過去最多の1964年東京五輪と同数で、うち九個は女子選手が獲得した。平泳ぎで金メダルを取った北島康介の言葉「チョー気持ちいい」は流行語に。

●5位 米大リーグで日本人選手活躍

マリナーズのイチローは今季通算262安打で大リーグの1シーズン最多安打記録を84年ぶりに更新。松井秀喜もヤンキースの主軸として活躍、リーグ優勝決定シリーズの記録を次々と塗り替えた。メッツの松井稼頭央は初打席初球の先頭打者本塁打で鮮烈デビューを果たした。

●6位 アラファト議長死去

パレスチナ解放運動のシンボルだったヤセル・アラファトパレスチナ自治政府議長が、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家樹立の夢がかなわないまま、11月11日、パリ郊外の軍病院で死去した。後継議長選挙は来年1月9日に実施されるが、イスラエルとの和平の先行きは依然不透明だ。

●7位 チェチェン独立派のテロ

ロシア南部・北オセチア共和国で9月1日、チェチェン独立派の武装集団が多数の児童らを人質にして学校を占拠。3日に特殊部隊が突入したが、人質300人以上が死亡する惨事となった。モスクワの地下鉄爆破、チェチェン共和国大統領爆殺、国内線旅客機2機の同時テロによる墜落も発生。再選で国内権力を強めたプーチン・ロシア大統領は治安対策として中央集権強化案を発表した。

●8位 中国で権力継承完了

中国共産党は9月19日の中央委総会で江沢民(こうたくみん)党中央軍事委主席の退任と胡錦濤(こきんとう)党総書記の同主席就任を承認。胡氏が党、政府、軍の三権を掌握して権力の引き継ぎが終わった

●9位 原油先物,初の50ドル台

ニューヨーク市場の原油先物相場は9月27日、ナイジェリアの治安情勢などを理由とした投機で史上初めて1バレル=50ドルの大台を突破。10月に史上最高値の55・67ドルを付けた。その後も、投機筋の思惑から下落と上昇の不安定な値動きを続け、今後の世界経済に暗雲を投げかける要因となった。
 
●10位 アジアで鳥インフルエンザ猛威

今年に入り東南アジアを中心に猛威を振るったH5N1型などの高病原性鳥インフルエンザは、世界保健機関(WHO)のまとめで、ベトナムで20人、タイで12人の計32人の死者を出した。各地の観光産業にも大きな打撃を与えた。東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓は12月、再流行が懸念される冬を前に閣僚級会合を開き、感染防止策を協議した。


カルメンチャキ |MAIL

My追加