風のひとり言
kaze



 言葉の力

言葉には魔力がある。
言葉は人を傷つけ、殺すこともできる。
そして反対に、人を生かし、生まれ変わらせることもできる。
その、人を生かし、生まれ変わらせる言葉の数々に出会った。

相田みつを・・・
周知の通り、書家であり詩人である彼は、その独特の世界観を書によって表している。
その視線は常に「命」「人間」を捉え、あたかもその本質をさりげない言葉で表現する。
彼の言葉は、決して高圧的なものではない。
むしろ読者と同じ目線に立った、あるいはそれより低い位置から発せられるようであり、
そこがまた、読み手の心に響くのではないだろうか。

彼の言葉の何気ない一言が、妙に心に響いてくる。
それらの言葉は、その独特の筆運びによる「書」という形で命を吹き込まれ、
眼前に迫ってくる。

心に語りかけてくる・・・そんな表現が適切かもしれない。
多くの詩は、そのどれもが心のどこかに引っかかり、自分の「今」を考える礎になってしまう。
書として完成された彼の詩。
それは「文字」が「書」として表されているからこそ、心に響くのか?
文字もさることながら、語りかけるような、
そして本質を突いた言葉に、一辺の嘘や偽りがないからこそ、染み渡るのではないか?

文字だけでも相手の心に力を与えることができる。
いや、出きるはずであろうと思う。
そしてこのネットの世界は、明らかに「文字だけ」の世界だ。
こちらが真剣に捉えれば、必ずや相手に伝わる・・・
文字だけであろうが、自分が素のままに飾ることなく語りかければ、
必ず相手には伝わるはずだと思える。

言葉は、うまく表現しようと考えるものではない。
自分の心からあふれ出てくる言葉こそが、素の言葉であり、それが自分自身。
そんな言葉こそが、相手に伝わりやすいし、相手のためであるのかもしれない。

そして自分を考えた時・・・
やはり素直な心で、対峙してみることも必要なことだろう・・・


相田みつを美術館HPはここ

2002年05月03日(金)
初日 最新 目次 MAIL


My追加