あっこのPiano Diary...あっこ

 

 

vol.5 初めて聴く師匠の演奏 - 2001年11月23日(金)

先週のお試しレッスンがすんだ後、師匠は自分の演奏も聴いたことのない私がレッスンを頼んだことを不思議にまた不満に思っていたのか、「どこで僕のHPを知ったのですか」とか、「ライブ聴きに来てください」などと言っていた。「こないだCDの録音したんですよ」とも言っていた。それなのに、「あ、ライブねー、聴かせて頂きたいのはやまやまなんですけどぉ、その時間帯って私も仕事をしてるので、なかなか行けないんですよぉ」と、水を差してしまった。師匠は一瞬寂しそうな顔をした。でも、先日書いたとおり、私の(名前だけ)知っている大御所のギタリストとの共演、というよりもそれはビリー・ハートというジャズドラマーとの共演がウリのコンサートなのだが、そのチケットをその場で買わせてもらった。
そして、ついでに大胆にも今日会ったばかりなのに、来年1月14日にある私自身のリサイタルの宣伝を彼にしてしまった。もちろん招待券を渡したのだけど。

今日は、そのビリー・ハートとのコンサートの日だった。JAZZのコンサートなんて初めてだ。ホールも聞いたことのない初めて行くホールだ。だから駅から迷った。
あるところまで来て、どうもこの建物らしいのだが、何階だったっけ?地下かな?じゃ、ここから入るのか…あらら、これは18歳未満お断りのイケナイ映画館の入り口だわ。女の私が行くところじゃない。あ、でも見たことないからちょっと見てみたい気もするってか?あ、うそうそ、とにかく、えーっわかんない。どこから入るの? しばし悩んだ後、ホールはだいぶ上の階にあることがわかった。

中に入ると、そこは繁華街のホールと言うよりはどこかの村の古い公民館の講堂という感じで狭い。客席の後方にはアルコールとソフトドリンクが置いてあって、
何人かのお客さん達は手馴れたもので、ビールとかウイスキーをあおりながら開演を待っている。なんじゃ、こりゃ。これってジャズコンサートのごく普通の形態なんだろうか。クラシックならホワイエに行って飲食するのであって、客席ではご法度だぞ。これじゃ、ジャズクラブの光景そのまんまじゃん。
開演に先立って、ビリー・ハートによるクリニックが始まった。師匠を含めてその日の共演者達がステージに出てきた。初めに出てきたのが、大御所ギタリスト。ファンが多いのか、顔を見せたとたん、「おぉ!」と聴衆に拍手で迎えられた。彼の名は実は高校生のときから知っていたが、顔と演奏にお目見えするのは今日が初めてだった。それにしてもみんな地味なカッコだな。普段着だろうか?数人のアマチュアドラマーがビリーに指導を受けた。

師匠はとても丁寧な音の出し方をしていた。私だったらもっとバンバン弾いてるかもしれない。でもインプロヴァイゼイションのことはよくわからないから、評価のしようがない。だから私の師匠選びは演奏なんか聴かなくったってどっちみちよかったんだ。
凄かったのはやはりビリー・ハート。途中ベースの弦が切れたので張替えるというアクシデントを時間的にカヴァーするため、彼の突然のソロが始まったのだが、スネアは張りのある快いアタックと残響で、ピアニシモでならすシンバルの音はウソみたいに優しくて、心地よい風が頬をさするようなそんな感じだった。
クラシックに限らずライブの音空間の醍醐味を感じた数分間だった。




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