観能雑感
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| 2007年01月04日(木) |
2006年 私的ベスト3 |
本来ならば昨年の内に書くべきであるが、体調が今ひとつの状態が継続しており気力にも欠け年明けに記述。2006年中観た能は59番。
1位 近藤乾之助 『姨捨』 11月26日 宝生流 秋の別会 第2日
今年のというより、これまで観た能の中で最高の一番かもしれない。現代の能楽がなし得る最上級の成果。この日の近藤乾之助師と藤田大五郎師が作り上げた世界は、生涯忘れられないだろう。
2位 近藤乾之助 『国栖』 4月9日 宝生流 月並能
国栖という曲でこれ以上のシテの在り様は望めないのではいかと思わせる一番だった。
3位 三川 泉 『羽衣』バンシキ 1月8日 宝生流 月並能
近寄り難いくらい気品のある天女と潤いを感じさせる盤渉序之舞が記憶に残った。
2006年の印象は近藤乾之助師と藤田大五郎師の二人に尽きる。乾之助師の舞台で観たものは全て上質で心に残るものだった。大五郎師はこの状態がいつまで続くのか、祈るような気持ちであるが、前人未到の境地に端然と立つ姿は圧巻。一方中堅以下の世代に停滞感が漂い気にかかる。そして2006年は、数多くの訃報に接した年でもあった。 何はともあれ、こうして新年を迎えられたことにまず感謝し、今年もできる限り真摯に舞台と向き合あっていきたい。一方で、もっとクラシックの演奏会に足を運べたらと思っている。何と言っても自分の原点なので。
こぎつね丸
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