観能雑感
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| 2004年12月25日(土) |
NHK交響楽団 「第9」演奏会 |
NHK交響楽団 「第9」演奏会 NHKホール PM3:00〜
年末の第9演奏は日本だけの特殊な慣例。自宅では何となく聴いてきたけれど、わざわざコンサートホールに足を運ぶのは今回が初めて。 思えば、オペラやバレエではなく、純然たるコンサートに行くのは15年振りくらいのような気がする。実は昨年その機会があったのだが、酷い風邪で断念した。
前日、疲れ切っているところに憤懣やるかたない出来事が発生し、怒り心頭に達する。胃の中にレンガをいくつもつまれたような重苦しいさのなか、辛うじて出かける。脳内には第四楽章が断続的に流れていた。 三階席の最後列、舞台中央、若干右よりに着席。会場は満席。ティンパニー奏者がチューニングを兼ねて黙々と叩いていたのが印象的。また再びティンパニーを叩ける機会はあるのだろうか。ないだろうな、多分。コンサートマスターの椅子だけ何故かピアノ用の背もたれつき椅子で、これは個人の好みによるものだろうか。 隣の席の男性が肘掛占領。迷惑。
ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調 作品125 「合唱つき」
指揮 クシシュトフ・ペンデレツキ 独唱 ソプラノ 大倉 由紀枝 メゾ・ソプラノ 永井 和子 テノール 市原 多朗 バリトン 福島 明也 合唱 国立音楽大学 管弦楽 NHK交響楽団
クラシック評論ならば、各楽章に対して詳しく述べていくのだろうが、その力は自分にはないので思いつくままにつらつらと。
弦の響きがまろやかで優しい。木製の家具に囲まれた居心地のいい部屋の窓辺で、物思いに耽っているような、そんな印象。派手さはなく、ひとつひとつの網目を着実に紡いでいる感じ。 第3楽章が、これまで意識したことがないくらい美しく聴こえた。第4楽章はやはり圧巻。オケの壁を突き抜けてくるソプラノが素晴らしかった。この合唱が持つ力強さは、人種も国境も軽々と越えていく。いろいろな想いが渦巻いて、涙が出る。
堅実だけれど、今ひとつ心を揺り動かす力強さには欠けた感あり。4楽章で2箇所ほど金管(ホルンだと思われる)が妙な音を出したのが残念。
本当はコンサートにももっと出かけたいのだけれど、なかなか思うようにはならず。本当に、何もかもままらなない。
こぎつね丸
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