時々管理日誌
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2023年07月15日(土) 三題噺『月と水辺と耳飾り』(ツイノベ拡大ver)

こないだ作ったツイノベが、140文字じゃ書き足りなかったので、拡大バージョン書いちゃいました。
お題は診断メーカー『文字書きのための三題噺』(https://shindanmaker.com/1008144)さん提供です。

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三題噺『月と水辺と耳飾り』

 ほんとだよ、ぼく、見たんだ。
 夏休みにおばあちゃんちに泊まりに行ったとき、二階の窓から星を見てたら、すっごく大きな流れ星がひゅーっと流れて、それが、窓から見える近くの川に落ちたんだ。ほんとだよ、嘘じゃない。川の岸近くの、流れ星が落ちた場所の水が、光ってみえた
 ぼくは急いで家を飛び出して、坂を駆け下り、林の中を抜けて、全速力で川まで走った。もう光が消えて、どこに落ちたかわからなくなっていたらどうしようと思ったけど、川はまだ光っていた。岸のすぐ近くの浅いところの底に、光るものが沈んでるみたいだった。ちょうどボートを繋ぐ木の板みたいなのが川に突き出してる場所だったから、そこに腹ばいになって、水に腕を突っ込んだ。もし熱かったらどうしようと思ったけど、水の中だから平気かなと思って。川底に手を伸ばして探ったら、硬い尖ったものを掴んだ。握った指の間から光が見えたから、ぜったいさっきの流れ星だと思ったのに、川から腕を引き上げて握りこぶしを開いたとたんに光は消えて、そこにあったのは、白っぽい石のついた耳飾りだった。図鑑で見た月長石っていう石に似てた。
 そのとき、急に、声がしたんだ。
「ありがとう。探してたの」って。
 びっくりして、心臓が飛び出すかと思った。
 顔を上げたら、水辺にへんな女の子が立っていた。見たこともないほど可愛い子だったけど、見たこともないような変てこな服を着ていて、しかも、その、白くてふわふわした不思議な服は、ぼんやり光ってる。
 女の子が当たり前みたいに手を出すから、どきどきしながら、耳飾りをのせた手を差し出した。
 女の子は、ぼくの濡れた手のひらから耳飾りをつまむと、片方の耳につけて、にっこり笑った。
「良かった。これで帰れる」
(どこへ?)って思っただけで声は出さなかったのに、女の子は、またにっこりして、頭の上を指差した。まあるい月が光っていた。
 月を見上げて、それからもう一度、女の子の顔を見ると、女の子は唇の前に指を一本立てて「ヒミツよ」と言った。ぼくはびっくりしすぎて声が出なかったから、ただこくこくとうなずいた。
「じゃあね、さよなら」
 女の子はそう言って、耳飾りの白い石のところを、かちっと押した。そしたら石がぼうっと光りだして、あれっと思ったら、女の子はもう、いなかった。ほんとだってば。
 あ、あの子がヒミツって言ったから、この話はヒミツだよ。

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元のツイノベ

流れ星を拾ったと思ったのだ。川岸に腹ばって砂の中から掬い取ったそれは、銀の耳飾り。「ありがとう。探してたの」声をかけられて顔を上げれば、水辺に佇む不思議な衣装の女の子。おずおずと差し出した耳飾りを耳につけ、にこりと笑む。「これで帰れる」「どこへ?」問いに応えて頭上の月を指さした。


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最近、ぜんぜん小説書いてなくて、ツイッターでも園芸の話ばかりしてるけど、筆を折ったつもりも、書く人であることをやめたつもりもなくて、今はたまたま別の趣味が優先になって創作は一休みしてるだけでいつかはまた創作に戻ることもあるつもりだから、最低限の創作脳の筋トレとして、たまにツイノベ書いたりしていきたいです。


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