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2004年01月26日(月) 哲学探偵

『私と他者が、私と世界が親和しえないならば、他者の方に、世界の方に消えてもらわなければならない』
(笠井潔『サマー・アポカリプス』)

『君はなぜ怖いんだ。ほんとうに勇気があるなら認めてしまうんだ。君が、いや僕たちが彼ら以下であるという事実を。彼らが豚なら、僕たちは豚以下だ。彼らが虫けらなら虫けら以下だ。豚以下、虫けら以下だからこそ、どうしようもなく観念で自分を正当化してしまう。それを認めてしまうんだ。その時にこそ、微かな希望が、救済の微光が君を照らすだろう。そう、希望はある。身を捨てて、誇りも自尊心も捨てて、真実を、灼熱の太陽を、バリケードの日々を昏倒するまで生きることだ。太陽を直視する三秒間、バリケードの三日間を最後の一滴の水のようにも深く味わいつくすことだ。僕たちは失明し、僕たちは死ぬだろう。しかし、恐れを知らぬ労働者たちが僕たちの後に続くことだけは信じていい』
(笠井潔『バイバイ、エンジェル』)

引用元である笠井潔の「矢吹駆シリーズ」は推理小説だが、
トリックの部分を忘れてしまった。
印象に残っているのは、哲学談義・思想対決の部分。
とくに第一作『バイバイ、エンジェル』には思想対決に勢いと熱さがあったと思う。
実在の思想家をモデルにしたキャラクターとの思想対決を展開しているので、
その思想家について詳しければ、さらに楽しめるかもしれない。
シリーズの中の作品によっては、
わざわざ読む前に対決相手に関する本を読んで「予習」したこともあったが、
今となってはあまり覚えていない。
そういうお勉強的なその場しのぎでは身に付かないのかも。
単に書かれている内容が心に響かなかった可能性もあるけれど。


sora |MAIL