青い物語
由良



 文字が書きたい気分


遠慮がちにドアを開ける音がして
目が覚めたけどまぶたは開かなかった
なんでかな
誰かが来たとは思ったけど
知らない奴が来たとは思わなかった

起きなくても良いんだと脳から指令が伝わって
柔らかな白い光の幕がふわりと僕を包む

物音を立てないように注意深く歩み寄る足
疲れ果てて行き倒れたように眠りこんだ僕に近付く
こんなに気をつけてるのに
床から伝わる振動でその苦労も台無し


誰だっけ


知ってる重み、かたち、ぬくもり、聞きなれた足音
あぁ、君が来てくれた
君なんだよ わかってる すごく嬉しいんだ

でも、脳は起きなくて良いんだとかたくなに信号を送り続けて
君なんだよ でも 君が誰なのか 僕には わからない

混濁する意識の中、必死に頭を持ち上げようとして
君の手があわててそれを押しとどめて
何も言わないで、やさしく僕の頭を撫でた

君の手が 起きなくて良いと 甘く囁いて
やわらかな毛布にくるまれて
君に会えた 夢を 見た 


「まどろみ」






まわりはすべて異物に思えた
僕を無視してせかせかと歩き回る
怖くなって飛び出して
足の間をすり抜けて入り込んだ部屋

ソファの上に一匹の人間
がらんとした部屋にあるのは必要なものだけ
花も動物も食べ物すら見当たらなくて
このひとは何のために生きているのだろうと思った

動いたら、逃げよう
だけど彼は動かなかった
ソファの上から二つの瞳だけよこして
時折何か呟いた
でもここからじゃ聞こえなかった

手を差し出したら、逃げよう
いつも愛情はいらないのについてきて
裏切ることの方が多くて満たされなくて
時折優しい手もあった
でも最後にはみんな離れた

ソファに寝そべって僕を見つめる人間
がらんとした部屋で距離はいっそう遠くて
僕と彼と冷たいものしか見当たらなくて
このひとはいつまでこうしてるのだろうと思った

そして僕は、気付いてしまった
彼も僕も震えてることに
僕は玄関の前から動けない
彼はソファの上から動けない
離れてしまうのが怖くて動けない
裏切られるのが怖くて近づけない

だから僕は、わかってしまった
彼も僕も同じだということ
そしてその目が望んでいるもの
微笑んだりなんかしなくて良いよ
僕も何だか泣きそうだ


踏み出す足に身体がびくりと震えて
おずおずと差し出された腕を踏み台にして
君の胸に飛び込んだ
つめたいものしかない中で
そこのとこだけあたたかかった


「ぬくもり」



ひらがな4文字5つのお題
沓軒壬生 // high and dry
http://zinsei.gozaru.jp/
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パソをつけたのにどこも更新されていなくて(二時間前に見たばかりですから)
BUMPサイトを廻っても良いんですが、なんだか虚しくなってきて。(秋です。夏の病も意気消沈です。)
文字と戯れたいんだけど他人のは読みたくなくて。自分のは拙くて。
何か書きたいけどネタもないし。早く寝たいし。
そこでふとうかんだ5つのお題
前からやりたいと思ったけどついにやりましたよ
ぱっぱっと5こ書くつもりが意外に時間がかかって1時間で二個。
「まどろみ」はうとうとしながら書いたので雰囲気が出てます。笑
「ぬくもり」は、途中で字数をそろえてみようかと意識しながらできてません。途中でどうでもよく。一応はじめはあの歌の猫Verで書こうとしていたらしい。
どっちにしろ今はそんなのしか書けないという、ね。
小ネタとはいえ即興で文が書けるのはやっぱり愛があるからなんでしょうね、とか。
個人的にまどろみのほうが好きです。だって妄想文。
たった一人でも、書けば(八割方)褒めちぎってくれる人がいるので、機嫌が良いときは書いて載せてみようとか思いますよ。
それも重要な原動力。だと、今気がついた。
おやすみなさい。

2004年09月03日(金)
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