on a wall
亜栗鼠



 決別を考えた日

旦那様を悲しませる言葉を吐いた。

相手の事なんて考えず、正直な気持ちを言えと言われて
思い切って話した。

叶わない事だということは知っている。
叶えようとしている訳でもない。


案の定、叱られ、突き放された。
そして、受け止めてくれた。


誰の記憶からも消えて無くなってしまうなんて不可能だ。
少なくとも、軒先に秋桜が咲き続ける限り
何処かで秋桜を見掛ける度に
旦那様は、きっと私を思ってくれるだろう。

去年の秋に、一緒に盗みに行った秋桜が
繁殖して広がっている。
どこか儚げだけれど、とても強い。
毎年、毎年、新しい芽を出し、増えていく。
私の憧れの花。


もう一度誓った。
一生を添い遂げ、旦那様の最期の瞬間を看取ると。
その時、「ありがとう」「ご苦労様」と言えるように。

言ってくれた。
この先、何度裏切ろうとも、引きずり戻して必ず治してやると。

私は、命だけは捨てない。
命を捨ててしまっては、旦那様との誓いが守れなくなってしまうもの。


私は、自分の命を守る為に、ここにいるのかもしれません。
心は日々変化し、高い高い波に襲われても、決して飲み込まれないように。
そして、いつか、旦那様の最期を看取る瞬間、「貴方が心の中にいるから大丈夫。」と笑顔で「ありがとう。ご苦労様でした。」と言えるように。


この辛く苦しかった思いを、少しでも書き残しておきたくて
随分と簡単に書いたけれど
きっと、いつかこの文章を読み返した時、
旦那様と私には、もっともっと心の中に沢山の思い出が、感情が溢れる事と信じて。

これからも、多々、心配や迷惑を掛けてしまうかもしれないけれど
宜しくお願いします。



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2004年05月15日(土)
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