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■ 夏の終わりに崎谷を聴く
’91の7月発売――16年前かあ、そんなに経つっけ。
崎谷健次郎の 『夏』 は、彼の作品中夏をイメージしたものにカヴァーを加えたコンセプト・アルバムです。 晩夏になると聴きたくなる1枚。
あたしは体質上脱水しやすく盛夏は大嫌いなのですが、夏のもつすべてのイメージは大好きです。 慌しく店じまいをするかのごとき夏の終わりは、体の芯にくすぶるあらゆる熱を持て余し、脱ぎ捨てる服といっしょに三日月の海へ流してしまいたい刹那を覚えるのです。
避暑地にひとり残され、過ぎ去ったパレードの紙吹雪を踏みしだき、オフィス街を忙しく行く人々の忘れ物をいつまでもいつまでも抱きしめる――ひと夏の恋の終わりは、片やファイルに綴じられ、片や上書きされてしまうのでしょう。
ビル風は、足早に来る何かをいっとき予感させ、すぐさま忘れさせます。 この世の季節がすべて黄昏の秋だったら、人はきっと戦う意味さえ失くすと思うのだけれど。
2007年09月28日(金)
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