日日雑記
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 東京の空の下オムレツのにおいは流れる

昨日は朝から突然おなかを壊してしまい、スケジュールこなすのたいへんでした。
帰宅途中、西尾さんの最新作『ネコソギラジカル(中)』を探し、他にも物色していたら、石井好子・著『東京の空の下オムレツのにおいは流れる』(暮らしの手帖社)を見つけました。

石井さんは国内のシャンソン歌手の草分け的存在。しかしながらシャンソン名を片手で数えるくらいしか知らないあたしは、彼女がお料理本を出してることにビックリいたしました。よく考えれば、フランスやイタリアに住んだ経験を生かし、お料理を紹介するのに何の不思議もないんですよね。

というのも、つい最近書店で石井さんの『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』という写真入りのお料理本を発見したからなんです。
元々『暮らしの手帖』に連載されたこのお料理エッセイは、昭和38年日本エッセイスト賞を受賞。この本を元に写真とレシピをまとめたものが昨年出版されたそうなのです。今ではいろんなレストランやデパ地下のデリカでお馴染みのメニューも、当時はさぞハイカラだったろうなあと思います。森茉莉のエッセイにもたくさんのお料理が紹介されてて、読んでると猛烈におナカ空いてきます。人間って想像力だけでこんなに五感を刺激できるんですねー(^_^;)

母の書棚に『西洋料理』(江上トミ・著)という、ハードカバーの上下巻があります。写真は白黒でいかにも時代を感じる内容ですが、作者の「日本の一般家庭でも気軽に西洋料理を楽しんで欲しい」という思いが満ちあふれ、なんとも愛しい本なのです。石井さんの本も同様な思いが丁寧に綴られていて、大事にしたい一冊です。

今回購入したのは「巴里」に続いて、日本でのお料理エッセイをまとめた『東京』版。レシピはもちろん、彼女のライフスタイルやものの考え方・感じ方が粋に語られていて、読んでてとても清々しい気分。本の装丁や活字もちょっとレトロな雰囲気を醸し出しています。

……ただ残念なのは、現在あたしおナカぴーぴーで、せっかくの美味しそうなレシピを実践に移せないこと。治ったら即作っちゃうもん!

2005年06月09日(木)
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