日日雑記
emi



 暗黒館の殺人読了

着想から出版まで8年、総工費(違)2500枚に及ぶ綾辻行人氏の大作終わりました〜〜〜はァ。そうなの黒尽くめのメフィストもコナンくんも中村青児も覚えていたんだけど、肝心の館シリーズはすっからかんに忘却の彼方なのよ〜〜(T-T)。
ま、でも、詳細は忘れた方が再読の時お初同様な楽しみがあるからいっか、ってことで(安直)。

館シリーズは1987年の「十角館の殺人」から始まり、暗黒館まで含めて7冊ございます。あとから知ったのですが、綾辻さんのデビューはミステリー界において新本格派ムーブメントが一気に押し寄せたご大層な「事件」だったそうです。

あまりこの業界に詳しくないんだけど、江戸川乱歩や坂口安吾、横溝正史らのどちらかというと伝奇がかったおどろおどろしい雰囲気の作品が低迷し、その後松本清張や森村誠一ら「社会派」が長い間ミステリーの中心だったのですね。その反動というか昔ながらの「探偵」が事件を解決する物語を回復する動きが散見されるようになり、島田荘司の出現をきっかけに多くの書き手が次々秀作を発表するようになりました。
一時の狂乱めいたブームは落ち着いたものの、探偵小説の復権は確固たるものとなり現在に至ります。

館シリーズの内容忘れちゃったのは、読んだのが10年以上前なのと手元に本がないせいなのでした。それでもデビュー作「十角館の殺人」だけは犯人もトリックもちゃんと覚えていたりします(^_^;)。
今回の暗黒館は既刊の館シリーズ全体をリンクする内容で、ボリュームも手伝ってかーなーりー面白かったです!もしかして社会派の方が読み「なんだこれは」と思う部分が多々あったとしても(多々あるんだなーこれが;)新本格派はこういうものなのだと割り切ってくださいませね。

とはいえ清涼院流水以降、新本格ですら眩暈するようなめくるめく展開があったりまえになってしまいましたので、暗黒館なんて「ほとんど王道」って感じでしたよ。
館シリーズの他に囁きシリーズもあるのですが、手っ取り早く綾辻ワールドを楽しみたい場合は「霧越邸殺人事件」(新潮社)をオススメいたします。

秋の夜長に背筋凍るミステリーはいかがでしょうか…ふふふふふ。

2004年09月21日(火)
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