日日雑記
emi



 「空の境界」読了。

読む前からいろいろウワサを小耳に挟んでいたため、どうしても色眼鏡がかかってしまうんですが(-_-;)。

文体は平易でヘンにひねってもおらず好感がもてました。登場人物へも無理なく感情移入でき、タイトな部分とそうでないとことバランスも良かったと思います。
所々のひっかかりが少しずつ蓄積して軽いストレスはあったものの、全体の質を貶めるものではありません。以上、長所でした。

上巻前半章の構成が少し分かり辛かったです。年表の書かれた栞が付いていたのは、時間軸が混乱するのを予測してのサービスなんでしょうか。
あと核心の伏線の位置が遠すぎてミステリー的な作為にはどうかと。まあ覚えていられないあたしの頭が悪いんスけど。
各章ごとに独立したお話を断続的にweb連載していたためと思いますが、上下これだけのボリュームは必要ない気もしました。商業化にあたってもう少し削いでもよかったのでは。以上、気になったところ。

内容に関してはどこをかすってもネタバレの危険が高いのでパスですねー。何故かといえばキャラや設定で、カンのいい方にはある程度物語の推測が成り立ってしまうからです。作者の奈須きのこさんは同人ゲーム作家というだけあり、随所にゲームの論法が生かされてる感じです。

そーね…最終章で逆ロミオとジュリエット的なものを経てたどり着くラストは結構性質(たち)悪いとだけ申し上げておきましょう(笑)。

2004年09月02日(木)
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