もう何度も何度も、 それこそ数え切れないほど読んだ本だけど、 何となく日本から持ってきてしまった。
アガサ・クリスティー『杉の柩』 ハヤカワ文庫
婚約をしているロディーとエリノアはいとこ同士。 ある日舞い込んだ匿名の手紙を読んで、 彼らは病気の伯母の元に出かける。 そこで美しく成長した門番の娘、メアリイに出会い、 ロディーはすっかり一目惚れ、 伯母の死をきっかけに、2人は婚約解消となる。 一見そうは見えないが、実はロディーを深く愛していたエリノアは、 メアリイを激しく憎むようになる。
数ヶ月後、伯母の屋敷を処分しに来たエリノアは、 父の死に会い、同じく屋敷に戻ってきたメアリイに再会する。 エリノアは彼女にサンドイッチを供したが、 メアリイはその数時間後に死んでしまう。
…といった感じで、恋愛色が濃く出ているこの作品、 殺人事件とその解決よりも、 前半で病死してしまう伯母やポアロ等の年寄りが、 全編を通じて若者の恋を優しく見守っている様子が、 物語の土台を成しているようだ。 これは謎解きに挑むよりも、 恋愛小説を読むようにして当たるといいかもしれない。
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