出向コージ苑

2004年05月19日(水) オノマトペ

坂東眞砂子『狗神』 角川文庫

角川でホラーで、というとまず、
「これ、映画化されたっけ?」という考えが浮かんでしまう。
そんな風に思われちゃうと、
作者も不本意だろうな、と反省しつつ読んだ。

とある山村に住む主人公の女性の一族は、
昔から「狗神つき」の家として畏れられてきた。
長い間何事もなかったこの村に、
一人の青年がやってきたことから、悲劇がはじまる。
…と、文庫裏表紙風に筋を書くとこんな感じ。

作者のお得意、伝奇ホラーというやつだが、
そこまでおどろおどろしくはなりきれず、
寧ろ主人公の悲しみが強調されている。

それにしても、オノマトペっていうのは怖さを増幅させるなあ。
以前、川上弘美の作品の感想として、
「たこを食べる時の『むつむつ』というオノマトペが怖い」と書いた。
今回「おお、怖ぇ!」と目を見張ったのが、
狗神の鳴き声、「びゃうびゃう」という擬声語である。
ひゃー、「わんわん」や「ぐるるる」じゃなくて、
「びゃうびゃう」なんてオノマトペを作っちゃったのかぁ〜、
実際の音としてイメージしやすいから、なお怖いよなー、
なんて、ちょっと感心してしまった。


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