首が痛いというのに、 せがむ父親に負けて、 日曜日の蚤の市に出かけた。 ちなみに、母親は実にさりげなく逃げた。 さすが、父親と暮らして数十年のキャリアである。
彼の目当ては言うまでもなく、 昨日のワインツアーで見つけた、 キツネをマスコットキャラクターにしている、 スキー大会のグッズである。
適当な店を物色して、 大会のバッジでもないかとあさってみたが、 ろくに整理もしていない中から探すのは大変。 おじさんに「キツネのスキー大会」などと、 大層怪しげなスロ語で聞いてみると、 意味は分かってくれたが、「あるかどうか分からん」という答。 そうなると、残るは根性だ。 がんばれ父。
途中、喫茶店を開く母へのプレゼントとして、 壁にかけるタイプのコーヒーミルを買ったり、 ウィーン産だという、真鋳製のインク壷を値切ったりと、 散々遊んだあげく、ようやくキツネバッジを見つけた。 ここの店主はかなりのコレクターだったようで、 他の店とは比べ物にならないぐらい、 きちんと整理されていた。 開催年によって、バッジの色などが微妙に違うのを、 時間をかけて物色し、 ここでめでたく二つ購入。
すっかり満足した父を連れて帰り、 午後は痛む首を抱えて読書していたコージ苑である。
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宮部みゆき『理由』朝日文庫 文体に関するアイディアの勝利、って感じが。 個人的には、『模倣犯』の方が迫力あったなあ。
高村薫『地を這う虫』(出版社忘れ) やっぱり短編では、 この作家の作品を読む醍醐味が薄れてしまう。 ぎちぎち、ぎゅうぎゅうに詰まった高村エッセンス、プリーズ。
パトリック・ジュースキント『香水』文春文庫 これを読みたいと、 文庫落ちを待って2年ぐらいか。 先日、研究用の文献を注文した時に、 半端な値段が出たので、ついでに頼んでしまった。 匂いを持たない男を描いた作品の中からは、 息が詰まる程のニオイが噴出し、 読む者の頭の中の鼻を直撃し、麻痺させる。
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