出向コージ苑

2003年11月16日(日) ワインの栓には

秋も深まったスロに、
今年できたワインが出回っている。
日本で毎年騒がれている、ボージョレヌーボーというやつである。
ここで飲めるのは、もちろん地元産なので、
特に予約をする必要もなく、
そこらへんのカフェなんかで、普通に飲める。

「今年のワインの出来を見る」イコール「試飲」であるから、
店頭で立ち飲みもできるようになっており、
そういう場合には、大きなプラスチックのサーバーが登場する。
(アウトドアなんかでよく見る、青と白のアレである)
色気も何もあったものではないが、
いかにも「地元のもの!」という感じがして、ちょっとよろしい。

ワインが入れられているビンからも、
「試飲」するためのもの、地元のもの、という印象を受ける。
店に卸された商品には、ラベルは辛うじて貼られているが、
その口にはコルクではなく、王冠がかぶせられている。
おそらく買った人は、自宅に帰って、
あたかもビールを飲むがごとくに、
栓抜きでスポーンと王冠をはずし、
でっかいコップか何かにドボドボついで飲むのだろう。

フランスやイタリア、スペインなんかではどうなのか、
コージ苑は知らないが、
欧州でよく言われる「ワインは水」説が、
ちびっとだけ分った様な気になっている、今日この頃である。

※※※※※

小林信彦『おかしな男 渥美清』新潮文庫
子供の頃、寅さんが怖かった。
大人は面白い面白いといって笑っていたが、
私は寅さんが怖い人に見えてしょうがなかった。
正月の映画興行で、寅さんシリーズは必ずランクインしていたが、
私にはその理由がわからなかった。
みんな、どうしてあの映画を観に行くんだろう。

…といった印象が今さら変わるわけでもないが、
この本は、渥美清と交流のあった著者の視点から、
「寅さん」ではない、役者としての渥美清を描いたフィクションである。
周辺を飾るように、当時のコメディ俳優の肖像も散りばめられており、
昭和の映画・舞台にあった、うずまくような流れを感じられる。


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