出向コージ苑

2003年11月11日(火) お隣さん(1)

コージ苑と同じく、
フレンチ嬢もビザ取得に手間取っている。
彼女のテキは、無犯罪証明書である。
申請時の居住国発行のものでよいという話だったので、
長らく在住していたフランスの無犯罪証明を提出したら、
今頃「やっぱり国籍を持つ国のじゃないとだめ〜」と言われたんだそうだ。

コージ苑も経験があるからわかるが、
在外公館から無犯罪証明書を申請すると、
届くまでに相当な時間がかかるのだ。
全く、私の時といい、
『長い長いペンギンの話』ならぬ、
「長い長いビザのお話」。

と厭世的になっていてもブツは降ってこないので、
フレンチ嬢は出かけることにした。
しかし、残念ながらスロには日本大使館がない。
ここで本来なら、スロを担当するウィーンに行くべきところ、
「遠いし」というごく単純な理由から、
彼女はクロアチアを選んだ。

そしてコージ苑は、彼の国に行ったことがなかった。
で、ついていくことにした。

※※※※※

古典の授業を終えた後、すぐに駅へ向かう。
フレンチ嬢に切符売り場の列に並んでもらっている間、
コージ苑は現金をおろし、かつ両替する。
ああ、やっぱり二人だと旅行は楽なのである。

スロからクロアチアまでは、
ゆっくり走る急行にゆられて2時間半。
ザグレブに到着する頃にはすっかり暗くなっていた。

中央駅を一歩出て、驚く。
都会だあ。
トラム(路面電車)が走っているせいか、
少なくとも駅から走る中央通りは、
道幅がスロの2倍はあるような気がする。

唐突であるが、フレンチ嬢は食いしん坊だ。
やせているくせに、いつでも何か食べるか飲むかしている。
電車の中でなにも口にしなかったせいか、
降りたとたんに「おなかがすいた」と言い始めた。
普段のゆったりした動作からは想像できないほど、
素早く辺りを見回した彼女が見つけたものは、
焼き栗の屋台であった。
香ばしいにおいに我慢できなくなったフレンチ嬢は、
小さい包みを一つ購入し、食べ歩きをしたのだった。

事前に連絡したホテルのチェックイン時間まで大分あるので、
ゆっくり歩きながら、ウィンドウショッピング。
気の向くままに店に入り、
コートを物色したり、手袋を探したり。
ちょうど通勤ラッシュの時間帯なのか、
中心街は人であふれていた。

ホテルにチェックインして一息いれて、
さて、夕食に行きましょう。
ガイドブックに出ていたレストランを数軒チェックした後で入ったのは、
「家庭料理」を売りにした、気安い感じの店である。

酒の飲めないフレンチ嬢を前にして、
コージ苑は地元のビール。
こいつときたら、気遣いというものが全くないのである。
いかにも接客のプロ、といった印象のウェイターさんの、
お勧め料理を二品注文し、後はおとなしく待つ。
とりあえず出てきたパンは自家製とかで、大変おいしかった。
ディップがチーズでなければなおよかった。←文句言うな

肝心の料理は、この辺に共通の、
「肉!肉!じゃがいも!」という感じだったが、
大変ステキな味付けで、大満足のフレンチ嬢とコージ苑だった。
ゆっくり食べてたくさん喋って、
気づけば閉店間際の時間になっていた。

ホテルに帰っても、やっぱりおしゃべりは止まらなくて、
明日の朝は早いというのに、
しっかり夜更かしした二人である。
コージ苑だけでなく、フレンチ嬢もおそらく、
修学旅行なんかではいつまでも起きていて、
先生に叱られたくちに違いない。


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