銀行口座を開かないと、 給料を振り込めないわよと脅され、 授業の合間をぬって、あわてて銀行へ行く。
今回コージ苑が入手したビザは、 前述のとおり3ヶ月のものなので、 この国の銀行で普通預金口座を開くには、 期間が短すぎるんだそうだ。
そういう人達のためにあるのが、 「外国人用特別口座」である。 要は簡易口座のようなものだが、 その実態は、預金をおろすにもカードが使えず、 いちいちパスポートを持って行かないといけないという、 まことに不便な口座である(という話)。
手続きのために、書類に必要事項を記入していったのだが、 慣習の違いによる小さい面倒が、ここでも起こる。 たとえば、パスポートの取得場所。 日本で発行された場合、それは「外務省」となっているが、 この国ではさらに、「どこの外務省だ」と聞かれる。 どこもなにも…と思うが、必要だと言われればしょうがないので、 「水戸支部」とか何とか答える。 本籍地の住所も「日本での定住所」として必要なのだが、 「この、『大字』ってのはなんだ、通りの名前か」と(当然)質問される。 うー、日本の住所は「○○通り●番」じゃないんだよ〜、 …といっても、そういうシステムがあるという事自体通じないのか、 「書類上」どうしても必要なんだという、お役所的発想か、 「ここはどうしてもストリートが必要なんだ」とくる。 我ながら、これでいいのかと思う程、適当に答えておいた。 今になって、ちょっと心配。
手続きが終わり、帰ろうとするコージ苑に向かって、 担当のお姉さんが「ちょっと待って、相談が」と言う。 何だろう。 新しい金融商品(っていうのかしら)の説明か。 座りなおしたコージ苑だったが、次の一言で腰くだけ。
「私の名前を漢字で書いてほしいの〜」
よくある話。 よくある話。
いいですよ、そんなのお安い御用ですよ、 さあなんていう名前なのかな、マヤかな、エバかな?
「モイツァ」
…よりによって…
考えるから時間をくれ、と言って、 今日のところは逃げてきたコージ苑。
漢和辞典、どこにあったっけ。
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