夏至直前の週末である今日、 旧市街の中心で、花の市場が開かれている。 夏至祭の現場にいられないコージ苑だが、 せめてこれだけでも、と出向いてみた。
市場は、花で埋まっていた。 L国の夏至に必須のアイテムは、草で作った冠である。 男性用には、柏の葉で作った巨大な冠。 女性用には、(多分)菖蒲の葉で編んだ華奢な冠。 他にも、野の草花をアレンジした花束や、 麦の穂で作った飾り物など、 日本ではちょっとお目にかかれないようなものがいっぱい。
中央に設置されたステージでは、 民族衣装を身にまとった男女が、 フォークダンスを踊っている。 陽気な音楽に、皆心が浮き立っているようだ。 昼間からすっかり酔っ払いのおっさんも多い。
L国の夏は雨が多く、 夏至の日も、ほぼ毎年雨が降るらしい。 その中で、人々は夜通し歌い踊り、チーズとビールで夏を祝う。 聞くところによると、夏至の夜は決して寝てはいけないそうだ。 寝てしまうと、その人は一年中ずっと眠くなってしまうとか何とか。
今日も、突然雨が降ってきた。 あわてて売り物にシートをかける商売人たち。 コージ苑も、傘をさして撤収。 今日の収穫は、アシの茎を編んだランチョンマットを4枚と、 先述の、女性用の冠。 気分だけは思い切り味わっている自分なのだ。
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森博嗣『女王の百年密室』幻冬社 これ、シリーズになるのかしら。 …というより目にとまったのは最後の註。 「これは書下ろしです。原稿用紙911枚(400字詰)」 という情報、出版界では普通に入れられるものなのか? 作者本人が書いたのなら、 ここにこそ彼のカラーが見えている気がするのだが。
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