出向コージ苑

2003年04月23日(水) 流行クリエイター

出勤途中に、一件の下着屋さんがある。
ショーウィンドーの中が、気づけば春夏の新しいディスプレイに変わっていた。
その中の一つが、コージ苑の目を釘付けにした。

それはキャミソールとショーツのセット。
色は純白。
清楚といえば清楚なのだが、素材が綿というところに微妙なものを感じる。
しかし、問題の所在はそこにはない。
キャミとショーツに統一感を出すがごとく、ちょうど体の正面にくるように、
一気に縦書きされた、黒々とした毛筆体の字。
その文句は。

「大唐帝国」

あのさあ…何があるわけ、その言葉の背後に。
かつて大英帝国で「月火水木金土日」と書かれた
トイレットペーパー見たことあるけどな。
あれよりアホな商品久しぶりに見たっつの。
しばし理解に苦しんだ(そして遂に納得できなかった)コージ苑であるが、
あるイケナイ考えがふと頭をかすめた。

これはきっと、昨今の漢字ブームにのってデザインされた商品であろう。
東洋人はこういうモンばっかり着てるんだろう、
と奴らは思っているのかもしれない。
(んなわけあるかと思いつつ、不安を拭いきれない処にこの国の恐ろしさがある)
ならば、例えばコージ苑が店内に入り、
いとも無邪気な顔をして「まあ素敵」とばかりにこれを買ったとしたら。
そして「あちらではこういうのが流行りで」とはしゃいで見せたとしたら。
さらにそのキャミソールを着て街中を自信たっぷりにうろついたとしたら。
もしかしたらそれは、この町に流行を引き起こす一端となるかもしれない。
何て言ったって「本場の東洋人」が着ているのだ。
「このデザイン、東洋的に見てもイケてますよ」と言っているようなものなのだ。

そしてこの夏、R市にはけったいな漢字デザインの服が大流行り。
(もっとも、単に冷笑されておしまい、という可能性もなきにしもあらず)

…おもしれえ。

しょうもない妄想に浸り、しばしにやけていたコージ苑であるが、
その壮大な計画を実行するにあたり、一つの越えられない壁にぶち当たった。

ごめん、どんなに面白いことになろうとも、その商品だけは買いたくない。
東洋人のプライドにかけて。


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コージ苑