コージ苑、この程めでたく給料とりの身分になったとはいえ、 天下の日本円に換算した時のそれはまさに雀の涙で、 帰国したついでに色々買い込もうと思ってもそりゃ不可能という話。 一人娘の、学生時代とは打って変わった財布の紐のしめっぷりに哀れを感じたか (というか、開けたところで何も出ないんだけど)、 両親が買い物に連れ出してくれた。 ターゲットは防寒具。←切実 とはいえぬくい九州のこと、防寒という言葉に対する認識は真に貧しい。 親子三人頭をひねり、行った先は「登山用品店」であった。
店内には中学生とその両親、といった感じの一群がわらわらとしていた。 察するに、これはコージ苑の母校の中学生であろう。 そこではなんともありがた迷惑なことに、 年に一度冬山に登るという行事があるのだ。 ちなみにコージ苑が登頂したのはただの1回で、 後は適当にサボったという秘すべき美しい思い出がある。 そんなことはどうでもいいが、まだ純情可憐な女生徒が、 「冬の山に登るってどういうことかしら。ああ不安だわ」とばかりに、 おそるおそる登山靴などを試しているのを横目に、店員にむかって 「すみません、実はとってもとっっても北の方に住んでいて」 などと事情を説明している自分は我ながら何者?といった感じである。
ともかく、ベテラン風店員(いかにもアウトドア派という雰囲気)に、 防寒の基礎知識を教わり、彼の助言に基づいて衣類等をかごに入れていく。 その値段がいちいち気絶するようなお値段。 いくら初売りだからって、いくら親がついているからって、 それはコージ苑の虚弱な心臓を止めてしまうほどの威力だった。 ああ、今更ながら親に足を向けて眠れない。 (しかし北枕をしない限りそれは比較的簡単なことである)
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