毎週恒例、母親と2時間程度の長電話。 やはり、ここ最近の話題といえば「引越し」と「出国準備」だ。 母は、海外には行った事がない。 しかし好奇心は強いらしく、外国の話を至極面白がってくれる。 今日は、冷蔵庫の話をした。
コージ苑の秋からの住まいは、赴任する予定の大学の寮だ。 留学した時の経験から、トイレ・シャワー・キッチンは共同だと思っていたら、 どうやら各部屋にちゃんとついているらしい。 おまけに、前任の先生が冷蔵庫等も置いていってくれるとのこと。 「大きくてうるさいロシア製だけど、使えると思います」との伝言を聞き、 昨日F嬢と食事をしていた時にその話をし、 「よく冷えそうだねー」と冗談を言った。 すると、数年前にブルガリアに住んでいたF嬢の返事はこうだった。 「あんたバカだねえ、あの辺での冷蔵庫っていうのは、 冷やすためにあるんじゃなくて、凍らせないためにあるんだよ」
今回コージ苑が向かう土地は、冬は零下20度ほどにもなる。 凍らせるのであれば、外に食料を出しておく方が早いのだそうだ。 食料保存の温度を一定にするために、冷蔵庫があるのだと、 F嬢はそう言った。
これを聞いた母は、いたく喜び「おもしろそうねえ」と笑った。 こんな話で喜んでくれるのなら、いくらでも話そうと思った。
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