月のシズク
mamico



 椿の木、山茶花の木

近所の花屋(新鮮な切り花が揃っていて、しかも安い!)に寄り、
白玉椿の枝と淡い色めのポピーを買って部屋に帰ってきた。

椿といえば、赤い花のものをすぐにイメージしてしまうが、桃色系のものや、
班入りのものなどの品種も多い。白い椿はどこか高潔そうな雰囲気がある。
つやつやした葉をいくらか削いで寝室のテーブルに、ポピーは洗面台に置いた。

実家の庭には、椿の木と山茶花の木があった。
どちらも同じ季節に似通った赤い花を付けるので、名前をよく言い間違えた。
「山茶花は花びらを散らすけれど、椿は花ごと、ぽとり、と落ちるのよ」
そう祖母に教えてもらったことを思い出す。椿の花の潔い去り方が好きだ。
だらしなくいつまでも花びらを残す山茶花より、よっぽど気持ちいい。
子供の頃、しょっちゅう庭に出て、私は祖父母に花や木の名前を教えてもらった。

つやつやした濃い緑の葉に、白い雪をつもらせ、凛と咲く赤い椿の花。
なにもかもが白い雪に閉ざされ、寒々としたあの庭に、椿の赤が印象的だった。
いのちの色、そう祖父が言ったことを、いま、ふと思い出した。



2002年01月29日(火)
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