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■ 匂う配達人
Anne Fontaineに頼んでおいたブラウスを取りに行った。 せっかくだから試着しましょう、と店員さんとわいわいやっていると、 どこからか強いポプリの匂いがただよってくる。このお店ではブラウスに 小さなポプリを付けて飾っているのだが、それにしてもちょっときつすぎる。 香りの方を見やると、店の入り口に帽子をかぶった若い配達人が 困り顔で立っていた。
どうやら納品用のリネン・ウォーター(ポプリの香り)の瓶が搬送中に トラックの中で割れたらしく、びしょびしょの段ボール箱が数個、足元に 積まれていた。聞くとトラックの荷台にも漏れて、いろんなものに匂いが ついたらしい。彼が動くたびに、ぷんぷんとポプリの芳しい香りがこぼれる。
まったく弱ったなぁ、という彼の泣きそうな顔つきと、彼の衣服に深く 染みついた匂いを見比べ、そのアンバランスさに、店員さんと私はこっそり 顔を見合わせて笑いあった。「同じトラックで運ばれる品物みんなに、 この香りが付いたなら素敵じゃない」とおもしろそうに言う店員に、 配達人は信じられない、という表情で首を振っていた。
2001年11月29日(木)
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