ムッキーの初老日記
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2003年11月28日(金) うどんはデザート


今月中旬。私の誕生日の数日後
ウォーキングの友カオリちゃんが、ランチに誘ってくれた。


「誕生日祝いにさ、おごるから食べ放題に行こうよ。」


私はありがたく連れてって頂く事にした。
食べ放題と言うものの経験があまりなく
どんなものなのか興味津々であった。

彼女が連れて行ってくれたのは
「スタミ〇太郎」という食べ放題のチェーン店。
ランチは980円で90分食べ放題だと言う。


「いつもは60分なんだけどさ、今キャンペーン中で90分なんだよ。」


・・・詳しい。
彼女は食べ放題に燃えている。

中に入ると、そこは食べ物の桃源郷であった。
焼肉、寿司、各種お惣菜。
カレーだ!ラーメンだ!まぜご飯だ!
それから各種デザートが、広い店内に所狭しと並んでいた。

カオリちゃんは、皿に焼肉用の肉だの野菜だのを
ヤッサカヤッサカと手際よく席に運び
私がどうしていいのかわからずボーっとしていると

「この皿に食べたいものを取って来るんだよ。
何皿使ってもいいからね。」

と、的確な助言までしてくれた。


そして肉を焼きながら、それ食え、やれ食えと
私の取り皿に、焼きあがった肉を放り込んでくれた。

私達は、美味しい美味しいと、色んなものを食べた。


以前も書いたが、私は見た目ほど食べない。
寿司をつまんで、焼肉を食べ、お惣菜をちょっと食べた所で
早くも私には限界が来てしまった。

もうデザートも入らないかも知れない・・・
というほど満腹になってしまった。
そうカオリちゃんに伝えると、彼女は驚いてこう言った。

「ええ!嘘だろ!?もうギブ!?
遠慮するなよ、食べ放題なんだから。」

「いや・・・遠慮なんかこれっぽっちもしてないって・・・」

「ダメダメ、ケーキだって何種類もあるんだから。
アイスクリームもお団子もプリンもフルーツもあるんだよ。
デザート食べなきゃ!後悔するよ。」

そう言われるとそんな気がしてきた。
せめてケーキだけでも食べよう。

私は小さめのケーキを一切れ取って来た。
一口食べると、なるほど食べられた。
「デザートは別腹」とはよく言ったものだ。

だが『この後にお団子の2、3本は食べられるかな』
と思ったのは、哀しい錯覚であった。
もう、身動きがとれないほどの満腹になってしまった。
いやもう満腹は通り越していた。
『ここまで食べ物がつまってる』と、人はよく己の喉を指すが
この時の私の場合、喉を通り越しアゴまで詰まっているような気がした。

もう、動けない・・・。

どうしよう。帰れないかもしれない。
そんな恐怖が私を包む。

私と一緒にケーキを食べたカオリちゃんが言う。

「マジで!?アイスなら入るんじゃない?え。だめ?
果物は?ダメなの?そっか。なんだよ小食だな。」

・・・君が大食漢なんだって・・・(T◆T)

彼女はこの後、アイスクリームとフルーツも食べていた。
そして、本来甘い物よりしょっぱい物が好きな彼女の
信じられない言葉を聞いた。


「なんか口の中が甘くなっちゃったな。
シメにうどんを食べよう。ムッキーも食べる!?」


( ̄□ ̄;)!! う!うどん〜!?食後にうどんかよ!


「何言ってんの!?うどんはデザートだろ」


Σ(;゜□゜)デ!デザート!!


「白玉もうどんも似たようなもんじゃん。
ただ、汁が甘いかしょっぱいかの違いだけで。
あの汁が飲みたいんだよ、汁が。」


言いえて妙だ・・・。
君には説得力があるよ・・・。


そして彼女は、小さい椀ではあるが、最後にうどんを食べ
食べ放題はお開きになった。
「さすがにちょっと苦しいね!」と言って笑うカオリを
私は満腹でボーっとかすむ目で見つめた。
奢ってもらって恩知らずかもしれないけど・・・


もう食べ放題は沢山だ。





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