A Will
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2006年04月26日(水) 思い出の続き。

薄情かもしれないけれど。
8年。

8年1度も顔を見なければ、思い出せなくもなる。
8年1度も声を聞かなければ、思い出せなくもなる。


けど。思い出せるものもあるの。ちゃんと。
忘れもしないわって、自信があるの。


写真は捨てちゃったの。嫌いだから。
誰にも言ってないエピソードだってあるの。わたしだけのものなの。
捨てられないものは缶に詰めて大人しく部屋に居てもらうの。

時々、過去一色の部屋になるときもあるけど。




「桃の花のほうが好き」
たった、その一言で桃の花が好きになった。

伸びた前髪を気にする仕草がたまらなく好きだった。

時々、悲しそうな顔をするのが気になって目が離せなかった。

抱き合って眠って、起きたときに傍にいる幸福感で、
もしかしたら人は死ねるのかもしれないと思ったりもした。


幸福死。

あの人の傍なら、そんなこともあり得る。言い切るの。






不思議。

時々、不思議。


なんで、いないのか判断がつかなくなる。
目を閉じて、開けて。

そうしたら、目の前にいるんじゃないかなって。

期待。


裏切られ続けた期待。

もう、悲しくはないけれど。
笑うことも出来るけれど。


けど、飽きずに期待しちゃう。目の前にいるんじゃないかって。
当たり前にいないことを、少しも疑わずに。



不思議。

確かにこの目で、死んでしまったあの人を見た。
目を閉じていた。


長くも短くもない睫。
初めてまじまじと眺めた。


死んでいる、と実感。



なにも感じなかった。ただ、あぁ死んでいると。それだけで。





未だに掴みきれてない。のかもしれない。

なんで死んじゃったら会えないの?








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