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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2004年02月18日(水)
Vol.439 バリウムを飲む

おはようございます。りょうちんです。

健康診断にて、俺は生まれてはじめてバリウムを飲むことになった。
レントゲンを撮影したあと、バリウムを飲むまでシャツ1枚のまま少し待機していたら。前の人が出てきたのを見て、俺はちょっとびびってしまった。その人、苦虫を噛み潰したようなヘビーな顔つきで、しかも口のまわりはバリウムで真っ白。俺も数分後にはああなるのかと考えると、気分も必然的にブルーになった。
さて、いよいよバリウムタイム。いきなりバリウムを飲まされるのかと思いきや、最初に白い粉と水を手渡された。一気に飲み干したそれは、お菓子のラムネのような味。しかし実はこれがいちばんの曲者で、飲み干すと同時におなかいっぱいになり無性にゲップがしたくなった。どうやら発砲剤らしい。生唾を飲みゲップが出ないように目を白黒させている俺に、今度は機械的にバリウムが手渡された。バリウムにはいちご味だとかブルーベリー味だとか選べると聞いていたのに、そんな選択をする余裕なんてないままプレーン味のバリウムを流し込む。もうゲップを出さないようにと無我夢中の俺に、バリウムの味もくそもへったくれもなかった。
そして撮影。ゲップを我慢するのに必死な俺は、1秒でも早く終わって欲しいと願う。意識朦朧の俺がよりかかったマシーンは徐々に傾いてやがて水平になり、さらに頭の方が少し下向きになって止まった。俺は下に落ちないようにと手すりにしがみついていたが、なんと今度はマシーンが左右に揺れるではないか。ゲップを我慢しつつこんな体勢で耐える俺は、マジで泣きそうになった。きっとこれは新手の遊園地のアトラクションなんだ、そう思うように薄れゆく意識の中で考えたけれど、そんなふうに簡単に割り切れるほどたやすいものじゃなかった。
ほんの数分が1時間にも感じた。すべてが終わり長い拘束からやっと開放された瞬間、口から大きなゲップが飛び出した。間一髪セーフ。やった。勝った。ついに俺はバリウムに勝ったのだ。ほっとしてふと鏡を見ると、口のまわりを真っ白にした俺が苦虫を噛み潰したような顔で立っていた。あぁもうバリウムなんてこりごり。