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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2004年02月03日(火)
Vol.431 節分の日

おはようございます。りょうちんです。

今日は節分。そんなことなんてすっかり忘れていたけど、沖縄のおみやげを渡しがてら実家に帰ると、豆まき用の福豆が置いてあった。
そういえばちびっこだった頃、我が家では節分の日になると毎年豆まきをしていた。福豆を買うとおまけで付いてくる赤い鬼のお面を父にかぶってもらい、祖母と一緒に「鬼は外、福は内!」と大きな声で叫びながら、楽しく豆をまくのが恒例だった。豆まきのあとには自分の歳の数だけ福豆を食べるという風習に、俺の十倍以上もの豆を食べることのできる祖母をうらやましいとさえ思っていたあの頃。結局は俺も自分の歳以上の数の豆を食べちゃったのだけれど。でもそんな行事も、俺が大きくなるに連れていつのまにかしなくなっていた。
弟が仕事から帰ってくると、丸かぶり寿司を手に持っていた。節分の日に太巻きを食べるのは関西地方の風習らしいのだが、弟もせっかくだからと買ってみたらしい。本来、その年の吉方を向いて無言のままかぶりつくものなのだそうだが、我が家では大きめの太巻きを食べやすいサイズに切って、夕食のおかずと一緒に食卓に並んだ。
弟が玄関のドアを開けて豆をまいた。「鬼は外!」。冬の小雨が降る闇の中に、投げた豆が消えていった。今度は母が豆をまく。「福は内!」。TVの前で丸くなっていた猫が、降ってきた豆に驚いて飛び起きた。忘れかけていた家族の懐かしい風景を、俺はぼんやりと思い出していた。
食後、福豆を食べてみる。縁起ものだとはわかっているけれど、口に含んだ福豆はあんまりおいしいものでもないなと思った。結局、歳の数ほど豆を食べれなかった俺。たった数粒しか豆を食べれないとごねていたあの頃の俺に、今日食べきれなかった豆を分けてあげたい気がした。
明日は立春。暦の上では、もう春がやってくる。