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| 2003年11月10日(月) ■ |
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| Vol.395 わさび漬け |
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おはようございます。りょうちんです。
子供の頃の俺は、それなりに好き嫌いが激しかった。チビッコだった頃はねぎもレーズンも納豆も食えなかったのだが、歳を重ねるに連れておいしいと思うようになった。今でこそ食えるものならなんでも食べてしまう俺だけれど、たったひとつだけ克服できないものがある。それは、わさび。 辛いのは別に構わない。カレーだってトウガラシだって、辛くたっておいしいものはたくさんある。だが、わさびのあの鼻にツーンと抜けるカンジがどうしても耐えられないのだ。だから、お寿司屋さんに行っても俺はいつもさび抜きを頼んじゃうし、お刺身だってザルそばだってわさびなんかは使わない。わさび味のポテトチップやチョコやソフトクリームなんてのもあるけど、あんなもんもってのほかだ。 あれは数年前、泊りがけで旅行に行った時のこと。朝食にそれは登場した。淡い緑色をした何かをすりつぶしたような物体が、小さな小鉢に入ってあらわれた。朝にはめっきり弱い俺。寝ぼけまなこのまま、よく確かめもせずにその物体をひとくちでほおばってしまった。次の瞬間、口の中が、いや全身が、あのわさび独特のツーンという刺激でいっぱいになった。思わぬハプニングでパニックになった俺は、冷静さを失った頭の中で思い出した。もしかして、これってわさび漬け? はるか昔に、おみやげでもらったわさび漬けを見たことがある。その時も俺はもちろん食べなかったけれど、こんなにも強烈にまずいものだったのか。口の中のわさび漬けに思わず声をあげのたうちまわる俺は、お茶と一緒になんとか流し込みその場をしのいだが、その日はわさび漬けをほおばってしまったせいで、すっかりへこんでしまったのは言うまでもない。 あれから、もう何年も俺はわさび漬けを口にしていない。おそらく一生食べないだろうし、もちろんいくら高級なわさび漬けだろうが食べたいとは思わない。もしも俺が食わず嫌い王選手権に出たとしたら、わさび漬けを口にしたとたんに「参りました!」って言っちゃうだろう。そのくらい、俺はわさび漬けが嫌いなのだ。
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