探偵さんの日常
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1967年に放映されたイギリスのテレビ・シリーズの名作、 『プリズナーNo.6』の劇中で、パトリック・マクグーハン演じる主人公は、『No.6』とだけ呼ばれていた。
彼は「村」と呼ばれる、孤立した、表面上は素朴で美しく、 犯罪のない、海に面した共同体の中に囚われていた。
「村」の実態は、真の楽園とは程遠いものだった。
隠しカメラや隠しマイクなどの機器が至るところに仕込まれ、 住民を監視できる構造になっていたのだ。
No.6は常時、カメラの監視下にあった。行動や身振りのすべてが記録され、 姿を見せない観察者によって分析されていた。
現実の世界にも、この「村」のような仕組みを21世紀の社会の好ましい モデルと考え、○察当局にそれを実現させようと、 着々と準備を進めている人たちが存在しています。
数年前に起きたワシントンDCでの連続狙撃事件の巻き起こした不安に対し、 犯罪やテロの専門家によるさまざまな警告が、ニュース番組やワイドショーの有識者と呼ばれる人たちから次々と流されていますよね。
彼らが繰り返し伝えているのは、監視カメラがもっとたくさん設置 されていれば、こうした無差別攻撃からも、今や街中に潜んでいると される無数のテロリストが引き起こす惨事からも安全でいられる、 という考え方です。
イギリスでは当局によって何年も前から監視カメラが次々と設置され、 犯罪の抑制につながっているという報告もあります。
どのように皆さんは考えますか?
確かに犯罪の抑制にはなるでしょうが、個人のプライバシーは? となると疑問ですよね。
私達探偵業もよく他人のプライバシーを侵害しているのじゃないかと 指摘を受けます。
これは私達にはそうする目的があるからです。
監視カメラに犯罪抑制という目的だけなら、 極端に言えばダミーのカメラでいいわけです。
つまり、そもそもの目的以外に使うのであればこれこそが犯罪だと思います。
監視カメラや録画された映像を、どのような目的で使用するのかは、 設置者やオペレーターの方々の考え方だけなのですから・・
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