冬は、 すぐに日が暮れてしまうからすきじゃない。 夜が長いから、すきじゃない。 さむいからすきじゃない。 ひとりで過ごす時間はほんとにすきじゃない。
私は、 本当にすきなひとがつらくなってしまうのが解っていても、 なお自分の幸せを追求するひとにはなれない。 そういうひとを、 うらやましく思ってもそうすることはできない。
私のたいせつなひとは、 みんなみんな、 不完全でもいいから幸せでいてほしい。 曇りのない笑顔でいられるように、 私にできることはささやかだけれど。
やさしさと弱さはそっくりだ。 強さと、無言は良く似ている。
やさしく、強くありたい。 けれど、弱く、無口にはなりたくない。 どうしたらいい? せいいっぱい、 私にできること。
夜は長い。
何も見えない、 この瞬きの間に、 星は流れ朝が来る。 だから私の願いはかなわない。
それでも、 私のたいせつなひとたちは、 それぞれしあわせであるといいと思う。
そんな夜は短い。
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