断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2023年11月11日(土) 「Concert 《音の星座》Vol.14」

コンサートに行ってきました☆


 Concert 《音の星座》Vol.14

  Piano:大畑康子
  Cello:宮田浩久
  Violin:貞国みどり

  2023年11月11日(土)
  開演 16:00
  jmc音楽研究所

 夜空に煌めく星座のように、
 〈楽の音〉は大作曲家の作品を通して
 様々な物語を紡ぎ出してまいりました。
 コンサート《音の星座》シリーズでは、
 歴史に残る作曲家の作品を通じて、
 心の宇宙を旅してまいりたいと思います。


ダンスを依頼されている会場へ、下調べを兼ねて、
コンサートにご招待いただきました!
そもそもご招待だけ、、だったはずですが、
チェリストの宮田浩久さんからの
おどりの依頼ががが、、届いてしまった—

 自宅を出る寸前に、です(爆)

以下の代送メッセージが来襲w

「こんにちは!質問です。
 チェロで白鳥を演奏するのですが、
 もしタイスケさんに「踊りますか?」って
 ふったら踊ることって可能そうですか…?
 と聞いてみて下さいと言われました。
 突然すぎますが、いかがでしょうか」

人生はいつだって《突然》です。
人生はこの突然に、どう向き合うか、です。
天上人、美輪明宏も言ってます。
体験と経験を得るなら「YESしかない」と。
NOは可能性を奪うことなのかもしれません。
しかし、そもそも、、
舞台人の自分には断る選択肢が、、ない。

 ここでやらずにいつできるというのか

それにしても、いつもおなじだ
なにしろお客さんがいるからには
けっして気は抜けず、そして、失敗はゆるされない

 あそびじゃないのだ

宮田さんが演奏するのは、「白鳥」サン=サーンス
瀕死の白鳥で有名すぎる曲です。
宮田浩久さんは現在、
九州交響楽団に所属されている、一流の演奏家だ。
その音色には威圧感さえおぼえる。
そしてこんな眼前でチェロを聴くのは、人生初☆
自分がおどっているのと同じゼロ距離に相当した。
何が恐怖で贅沢か、というと—
まず音色の圧力と繊細さを肌で感じとれてしまう
そして最後の一音がとぎれるまで聴くことができる
このゼロ距離は、オーケストラホールとは、、

 まったくちがう世界だった

おそらくはどんなゼロ距離も想像を超えてくる。
間近、眼前のゼロ距離は存在をえぐってくるのだ。
もちろんえぐるには直結した力量が問われる。
カラダが呑み込まれるほどの得体の知れない何か。
今を忘れてしまうような何か。
そうは言っても自分はいつもやっています。。
時と場合によってはその連続です…
えぐっているかどうかは確かめられません。
ただただおどりになるのみ☆
とはいえ自分じゃない誰かのゼロ距離に、、
あらためて世界の違いを思い知ってしまった!!

そして一部最後の曲目。 おどるときがきた
当日、宮田さんとは一言も交わしていない。
挨拶さえできていなかった…
なにしろ全部本番直前すぎたのだったw
そういうわけで眼前の宮田さんから突然紹介される
「即興でおどっていただきます」w
なんと、ガチで放り出される一言(爆)
直前も直前に決まったことなので、
観客にもなにも知らされていない。
いつものことだけど、
これに関しては本当にリスクしか、、ない!
音楽を聴きにきたコンサートで、
おどりをみたい人が果たして何人いるんだろう…
さあ、どうですか?
あなたならどうするーーー

どうもこうもないw
やるしかない☆

それにしても、ここでおどりに踏み切れるのは
今までおどってきたからです。
どんなところでもやってきた自負。
そして、今までもこれからも、
おどりはいつもいつでもギリギリのところにある
チカラを発揮しなければおどりは来ない
おどりは音楽とちがって目を閉じてもこない

 目を奪わなくてはどうしようもないのだ

どこをどうおどったか
ほとんどおぼえていない
おぼえていない、というのは
自分の中でのひとつの指針、ボーダーライン。
あたまでかんがえているうちは
いいおどりになった、とは考えにくい
感性のおどりに関していうならば
頭から自分が消えたとき
自分をわすれたときからがおどりだ

なんとかおどりきった…
とはいえ音楽家には気を遣う。
先日の本番プレミアムコンサートでは、
麻耶ちゃんが歌手だったこともあった。
そして、今日この時においては突然の出演。
名前の記載もないし、誰からも認知ないだろう
そういうわけでマスク装備の上でおどった
コロナ禍の残滓といえる
小ホールでぜえぜえと息も絶え絶えに
観客の眼前でおどることはできまい。
それに万が一はあってはならない。
マスクをつけての本番は人生初だった
おそろしく苦しい あぶなかったw

なんとかおどりきりはしたものの
一度だけ天井の照明に手をぶつけてしまった
後から思い起こされる
あれだけは何としても避けたかった
自分が客席にいたら空き缶を投げつけたい
現実に引き戻されるに決まっている

受け入れてもらえたかはわからない
だけど、終わった後のサロンでは
ほとんどの方から声をかけられた
中でも運命的な話がある。
自分のダンスの先生であった案浦研さん
その母、案浦洋子さんをなんと
ほとんどの方が知っておられたのだ
(洋子さんは合唱団にいたからかもしれない)
そういうわけで、
急逝した研さんのことも知られていた
そうして、
わたしが研さんの生徒の1人だったことが
ここでは特別なものになってしまった
みんなそんな顔をしていた

研さんの生徒だったことで
別の意味がうまれた瞬間だったかもしれない
なにしろそれを感じとってしまった

やっぱり人はひとりじゃないんだろう
だってひとりでにうまれたりしない
だとしたら、、
人間はひとりでは完結できないのも当然だ



自分のおどりについては、
たいてい《気》や《エネルギー》の話になる

「タイスケさん透明になるもんね」

「踊り、近くに来られた時に
 気?が動く感じがとても興味深かったです」

「心が震える感じがしました」

いまではそのひとつひとつが奇跡に思えています
奇跡はけっして大きなものだけじゃない
日常でもそんなちょっとしたことが
感受性を育てたり、
果ては人生までも変えてしまうことを
知っているからです





(おまけ)
終演後、出演者との団欒会で
ピアニスト大畑さんとあらためて握手したとき

「この人、握手感がすごいのよ!!
 みんな握手してみて!!」

と叫ばれて、、握手会になってしまった…
アイドルってこんな感じかなw
一通りみんなと握手し終わったあと、
この一言に集約してしまいます

「雲みたいね」

どうしてそうなった!?
自分じゃまったくわからな…
もしかしたらもう空に昇れるのかもしれ、、

いいやまだだ、まだ昇るわけにはいかない☆


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