断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2023年01月11日(水) 言葉はつよい

おどりのタイトルを決めるとき、、
これが決まらないときは—

 決定的に決まらない

内容が定まっているからこそ決まらない
もしも答えをタイトルにしてしまえば、
もうほとんど見なくてもいいじゃないか
それにしてもちょっとくらいは
かすらないと、、
告知すらできない
なにしろ意味をおどっていないのだ

おどりを見てくださる人に
すべてを委ねる覚悟がいる

そうしてタイトルを決めあぐねる
黒沢美香さんの元で
研鑽を積んでいたときにつくった作品は
『ソノモノ』とした。
今でもつづいているタイトルのひとつだ。
美香さんに見てもらった後には、
タイトルの話になった。

美香さん「タイスケ、タイトルは『のの』
     でもよかったわね」

たしか『ソノモノ』がストレートすぎる、
そんな話だった。
あのときのことを思い出すと
まったく今に通じている。
尊敬する大先輩もきっぱりと言った。
《作品の解説をしてはいけない》
見てくれた人の想像力を奪ってはならない、
そうおそわったのだ。

まだあの頃は、受け取ってもらいたいものを
間違わずに受け取ってもらいたい意志があった
これもまた非常に大事なことだったと
自負しているけれど、
おどりを想像力の世界とすると、
誰にも穢されない崇高なものともなり得てしまう。
ここが非常にむずかしい。
わたしたちの想いがここにあればこそ
人生で初めて見にきてくださる方に説明できない。
すくなくとも、、
手がかりにできる言葉でなければ。。
こうして延々とループする。
もともと《おどり》は
誰にでも受け取ってもらえるものじゃない
それでも、
誰にでもほんのちょっとは胸をうちたい
そうして言葉にするのを躊躇う
なにしろ言葉は強い。
その《意味》が誰にでも受け取られるほどに。

初めて見てくださった人の感想を
人づてに聞くと
「なんだったのか全然わからなかった」
このセリフはいつもいつでもある。
そして、そのとおりだ。
《わかる》ものじゃないはずだからだ
そして、その先に行ってもらえなかったのは
なにかを受け取ってもらえなかったのは、、
完全に自分の力不足だ。

どんな公演でも(身の程を知りつづける)
そんな震える話だ


 < 過去  INDEX  未来 >


Taisuke [HOMEPAGE]