断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2013年02月17日(日) 「アルケミスト」

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトに向けて旅に出た。 そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。 長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。 「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」 「前兆に従うこと」 少年は錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。

 『アルケミスト』   パウロ・コエーリョ
 夢を旅した少年

2013年 これを超える本はないだろう、そうおもえるほどの本でした―
って、いきなりそんな本に遭遇しちゃったよ!!  前兆ですかね…
さすがはヤのつくおねいさん!!(※ちなみに●クルトじゃありませんw)

俺が錬金術師だったなんて知らなかったよ―

あとがきから『アルケミスト』の評価を推し量るに、物凄いものです。
なんとサン・テグジュペリ『星の王子さま』に並び称されるほどの本だったのだ!!
1988年に出版された『アルケミスト』。
その年の内にブラジル国内で20万冊を超える大ベストセラー。
フランスやイタリアなどでもベストセラー1位を何度も獲得。
各国で文学賞をも獲得。
〜この本は10年に1度、現れるか否かの名著であるというものでした〜

 彼にはいつも新しい友人ができたが、すべての時間を彼らと過ごす必要はなかった。
 神学校にいた時そうであったように、同じ友人といつも一緒にいると、
 友人が自分の人生の一部となってしまう。
 すると、友人は彼を変えたいと思い始める。
 そして、彼が自分たちの望み通りの人間にならないと、怒りだすのだ。
 誰もみな、他人がどのような人生を送るべきか、明確な考えを持っているのに、
 自分の人生については、何も考えを持っていないようだった。

この本で差込最初のページがここでした。
実のところ、最近の自分にもまったくこれがあてはまっていました…
どんなところがというと、“怒りだされる”こと。  それも“一方的に”です

きっと望み通りでないからでしょう

そもそも他者の思いや思惑のすべてを受け止めることなんてできるんでしょうか
もしそれが出来たとして、そこに自己実現は在るんでしょうか
下手撃てば完全な“アイドル商売”です。
自分史を過去のblogから読み取ると、同じ事を考えている時期があります。
あのときも、すべて“できなければならない”という重圧がのしかかっていました。
仕事、人付き合い、恋人や仲間、すべてにデリケートな問題が満ちあふれてた。

一事が万事です

自分の考えを押し付けることはしても、自分がそうなることには背を向ける。
どんなにその言葉が正しくても、これではまったく響きません。
「もう言わない」、何度聞いたかわかりませんねw
いつも、いつでもぶりかえしました
結局は不満があるということなのでしょう、信じられていないともおもえます
だってありのままの自分をうけいれてもらえないんだものね
わたしは自分自身の役割、自分にしかできないこと、その未来を信じています
これまで学んできたものは必ず一度“受け容れる”というものでした
なぜなら拒絶してもはじまらないからです  あらゆるヒトそれぞれに考えがある

都合のいいことだけで自らを進んでは偏った人間になってしまうのを知っています

たとえば、美人を例にしてみましょう。
“美人”としてまわりからも認知されて生きてきたとしたら。
彼らは“自分の言うことのすべてが通る”ことを小さなときから知っています。
ともすれば、傍若無人な会話しかできなくなるのも無理ありません!
まわりにいる人たちも彼女が美人であるがゆえに媚を売ります。
「すごい美人と友だちなの」こんなものに妙な利害関係がありはしませんか?
なにか得をする、使えるんですよ、その得も自分で択んでますよね。
損得勘定でわたしたちはどれだけ動いているんでしょうか
それを無意識にやっている自分がどれだけいるんでしょうか
こんなことに陥ったらすべてを疑うことからはじめなくてはなりません
おそろしいことです
いつでも自分を素直に、嘘なく生かしてやりたい
わたしはどんな人も嫌いになることはありません
実のところ、その人を知ってるだけで物凄いことではありませんか?
だってほとんどの人がすれ違うだけで、なにも豊かになりゃしません
どんな人にもいいところとわるいところ、好きなところと嫌いなところがある
それも、自分の小さな物差しで決めていることです
わたしはそのようなものを超えてヒトが好きみたいなんです

こりゃ長くなるな… 最初の差込だけでこれかよw

 「人は自分の運命を選ぶことができない、と言っているのだよ。
  そして最後に、誰もが世界最大のうそを信じている、と言っている」

 「世界最大のうそって何ですか?」と、すっかり驚いて、少年は聞いた。

 「それはこうじゃ、人は人生のある時点で、自分に起こってくることを
  コントロールできなくなり、宿命によって人生を支配されてしまうことだ。
  それが世界最大のうそじゃよ」

わたしは唸りました。

 「しかし一番重要なのは、おまえが自分の運命を発見したということだ」

 少年は人の「運命」がどういうものかわからなかった。

 「おまえがいつもやりとげたいと思ってきたことだよ。
  誰でも若い時は自分の運命を知っているものなのだ。
  まだ若い頃は、すべてがはっきりしていて、すべてが可能だ。
  夢を見ることも、
  自分の人生に起こってほしいすべてのことにあこがれることも、恐れない。
  ところが、時がたつうちに、不思議な力が、
  自分の運命を実現することは不可能だと、彼らに思い込ませ始めるのだ」

 老人の言っていることはどれも、少年にはあまり意味のないことのように思われた。
 しかし、彼は、その「不思議な力」が何か知りたかった。

 「その力は否定的なもののように見えるが、
  実際は、運命をどのように実現すべきかおまえに示してくれる。
  そしておまえの魂と意志を準備させる。
  この地上には一つの偉大な真実があるからだ。
  つまり、おまえが誰であろうと、何をしていようと、
  おまえが何かを本当にやりたいと思う時は、
  その望みは宇宙の魂から生まれたからなのだ。
  それが地球におけるおまえの使命なのだよ」

宇宙の魂、その怪しげな響きを差し引いても、それは偉大な真実だとおもいました。
あきらめさえしなければ常に目標はあらわれるからです

 結局、彼がいつも望んでいたのはそれだったのだ。
 新しい場所を知りたいということだった。
 たとえピラミッドに行けなくても、彼は自分の知っているどの羊飼いよりも、
 遠くまで旅をしていた。 ああ、ほんの二時間船で行っただけで、
 どんなにものごとが違っているかわかるのに、と少年は思った。
 彼のいる新しい世界は、今は単なる誰もいない市場にすぎなかったが、
 彼はすでに、そこが生活に満ちあふれていた時を見ていた。
 そして、それを決して忘れることはなかった。
 彼はあの剣を憶えていた。 剣のことを考えると少し心が痛んだ。
 あんなにすばらしい剣は見たことがなかった。
 こうしたことをつくづく考えているうちに、彼は自分のことをどろぼうに会った
 あわれな犠牲者と考えるか、宝物を探し求める冒険家と考えるか、
 そのどちらかを選ばなくてはならないことに気がついた。
 「僕は宝物を探している冒険家なんだ」と彼は自分に言った。

読めば読むほど少年と自分が重なることに驚きました
あのとき、自分がやりたいこと、為すべきことを知ったからかもしれません
だからといってわたしは聖人でもなんでもない、そこらへんの男の一人w
きっとこの本は誰にでもあてはまるはずです。
それさえ見つけていればきっとあてはまるはずです。

 「夢見ることをやめてはいけないよ」と年老いた王様は言っていた。
 「前兆に従ってゆきなさい」
 少年はウリムとトムミムを拾いあげた。
 するともう一度、あの年老いた王様が近くにいるような不思議なときめきを感じた。
 少年は一年間一生懸命に働いたのだった。
 そして前兆は、今こそ行く時だと告げていた。
 国に帰って、元のように羊飼いに戻ろう、と少年は思った。
 羊たちは僕にアラビア語の話し方を教えてくれなかったけれど。
 しかし、羊はもっと重要なことを彼に教えてくれた。
 それはこの世には、誰もが理解する一つのことばがあるということだった。
 少年が店で物事をもっとよくしようと思った時、ずっと使っていたことばだった。
 それは熱中するということばであり、
 愛と目的をもって物事を達成するということばであり、
 信じていることや、望んでいることを追求するということばでもあった。
 タンジェはもはや見知らぬ町ではなかった。
 この場所を征服したように、少年は世界を征服できるように感じた。
 「おまえが何か欲する時、宇宙全体が協力しておまえを助けてくれるよ」

今、わたしが考えることもおおよそこういうことでした。
そして、問題なのは欲する“何か”だと感じるのです。
欲するものが“本物”でないかぎり、きっと宇宙全体は協力してくれないでしょう。
わたしたち自身の本物は常に問われているのだとおもいます。

 年老いた王様が「初心者の幸運」と呼んでいたものは、
 もはや働かなくなっているようだった。
 夢の追求の過程で、彼はやる気と勇気を常にテストされていた。
 あせってもいけないし、いらいらしてもいけなかった。
 もし、衝動にかられて先を急ぐと、神様が道すじに置いてくれたサインや
 前兆を見落してしまうだろう。
 神様はサインや前兆を僕の進む道に用意してくださるのだ。
 少年はそう考えてから、自分の考え方にびっくりした。
 今まで彼は前兆を現世的なものと考えていた。
 それは食べたり、寝たり、愛を求めたり、仕事を探したりするレベルと同じだと
 思っていたのだ。
 彼は今まで、それを、自分が何をすべきか示してくれる神様の言葉という意味では、
 考えたことがなかった。
 「そんなにあせることはないよ」と彼は自分にくり返して言った。
 「らくだ使いのおじさんが言っていた通りだ。
 『食べるときには食べる。そして動く時がきたら動くのだ』」

例外なく、わたしにも不思議な力は働いています
その不思議な力が“世界最大の嘘”をすぐ後ろから囁いてくるんです
いつだって自分が弱くなったときにそれはやってきます
“もうできないんじゃないか” “もうおそいんじゃないか”
そんなことあってたまるか―  毎日はこの繰り返し
そうです、打ち破るための目標を見出せるのは不思議な力のおかげじゃないのか
不思議な力を否定的なものにするも、味方にするのも自分次第です

もしかしたら不思議な力こそが自分を自分としてくれるのかもしれません

不思議な力とは“わたしたちがこの世に生きている”そのものではないでしょうか
だからその力はわたしたちにその生き方を問うてくるのかもしれません

わたしたちの一つの偉大な真実は“生まれて、死ぬこと”です
そのことを否定的なものだと言うひともいるでしょう
だってどんなことを成し遂げても死んでしまうんですから
ところが、生きて死ぬことはセットです
“いつか死ぬ”ことがわたしたちを焦らせます
焦らないのはそれに知らないふりをしているからでしょう
生きていることには制限時間がある
そのことが、わたしたちにどう生きたいのかを真におしえてくれる

“いつか死ぬ”ことがわたしたちを輝かせるのです

死ぬその時まで、自分自身を見失うことなく、精一杯生かしてやりたい
これまで生きてきたすべての時間がそれをおしえてくれたのだとおもいます
そして、ダンスがそれを本物にしてくれたのだとおもうのです


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