断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2013年01月06日(日) 「バレエに生きる」

パリ・オペラ座の振付師と、エトワール。
ともに世界で活躍したふたりが紡ぐ、60年間のバレエ人生。
それは、愛、夢と希望にあふれた幸福な世界―

 『バレエに生きる』〜パリ・オペラ座のふたり〜
 踊ることで、わたしは輝く

バレエ界ドキュメント映画です。
ピエール・ラコットとギレーヌ・テスマー、ふたりの話を軸に映画はすすみます。
今は本番までリハーサルがしっかり組まれている時代。
しかし二人が踊っていたのはサーカスのようなドサ回り時代だったようです。
ピエール氏自身が振付と本番の連続。

 彼らは“毎日”が本番でした

その頃のオペラ座は混迷の時代だったらしくピエール氏は一度退団しています。
ところが呼び戻されるのです! 今からじゃ想像もつきませんね。。
ピエール氏がその踊りと創造力でどれだけ輝いていたか推し量るには十分です。
彼らがつくってきたその“バレエ”が尊重される時代になったのだとおもいます。
それは、ピエール氏のような先人たちの情熱と技術がなしとげてきた結果でしょう。
たいへん興味深い映像でした!!

 現実にそのすべてをバレエに捧げた人生だからです

自宅でのピエール氏とギレーヌさんはどう見てもセレブ老後夫婦にしかみえませんw
しかし、オペラ座ダンサーの練習のチェック、その視線の鋭さ―
バレエに生きてきたことを強烈に感じました
そして、オペラ座のダンサーたちが二人に対して敬意を払う姿に感動した

 “踊ること”は生きる歓び。
 “踊ること”で人生は豊かになる。
 そして、その深い想いは永遠に受け継がれていく―

まさにその通りだとおもいました。
ひとつの踊りに全世界の人たちが惹かれるのには理由があるはずです。
二人に子どもはいませんでしたがギレーヌさんは言い切りました。

 「オペラ座のすべてのダンサーがわたしたちの子どもよ」

世界最高峰のバレエ団でそんなことが言えるなんてどんな気分なんでしょうか―
そのときの表情はとてもすがすがしいものでした  天上人、天上人ですね
ギレーヌさんはこうも言い切りました。

 「バレエには人生のすべてをかける価値がある」

先ず何よりも、美しい、品格の踊りには考えられないほどの鍛錬があります
そうでなければ大きい舞台であればあるほど力は発揮できないからです
ダンスを見出しさえすれば、等身大の踊りは誰にでも踊れます
しかし、より多くの人に伝えたいとするなら、
自分自身を超えていきたいのなら、フィジカルの強さが不可欠です
言葉にできない何かが伝わるナチュラル自然体、その強度の問題です
これはダンサーに課せられる永遠のテーマでしょう

とてもしあわせに見えるふたりでした
この映画が見れてよかった


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Taisuke [HOMEPAGE]