| 2012年12月30日(日) |
「Les Miserables」 |
世界が泣いた。 ミュージカルの金字塔、遂に映画化! スクリーンで出会う、至高の感動。
『Les Miserables』 愛とは、生きる力。
愛があってもあっさり死んでいく物語― キャッチコピーとはまるで正反対じゃないですか。。 つらい現実ですね
劇場前売券付属特典は“明日への希望を灯す<LED>キャンドル”!! その実体は“電池で光る燃えないロウソクもどき”です。 〜ご使用方法〜 ◎底面のスイッチをONにしてください。 さっそくLEDキャンドルの力をためしてみました!! 点滅はあたかも本物のロウソクの炎のようです、よく出来てるなこれ… 翌日、とんでもない事実が発覚します。
電池が二日ともたないLEDって何??
どこがLEDなんだ―!? ふざけやがって あんまりLEDって堂々と書いてあるもんだから軽く信じちゃったよ!! こうして簡単にだまされてしまうのがわたしたち庶民なのだと知りましたw まったくろくでもない特典です。 電池いくらあっても足りないぞこのやろー これじゃあLED照明を真面目につくってる人たちに対してあまりに失礼です。 そういうわけで身内狩るクリエーションのFふじをさんに贈呈することに。 だって「それ欲しかったんだよね」って言ってましたからw こんなモノでもきっと泣いてよろこんでくれるはずです!! なんたって[Les Miserables]ってロゴ付きですからね☆ 2/9、身内狩るクリエーション最終版『レ・ミゼラブル』に期待したいところですw
間違ってこのキャンドルみたいにLEDって銘打たないことを切に願いたい
映画で3時間上映される物語を1時間30分でまとめようとしたら間違いなくLEDです!! ただでさえ3時間でも足りない感じですからねw
さあ映画の超個人的感想の開演です☆ 『英国王のスピーチ』 アカデミー監督賞受賞トム・フーパー監督。 『オペラ座の怪人』 プロデューサー キャメロン・マッキントッシュ。 二人が壮大なスケールで贈る『レ・ミゼラブル』!!
こんな暗い物語、新年早々見られるか!!
そういうわけで2012年、年末真っ盛りでしたが行ってきましたw この映画でわたしの2012映画人生は終わります。 期待しましたね 1985年の初演以来、世界43ヵ国、21ヵ国語で上演され、6000万人を超える観客を動員。 27年間、1日も休むことなく上演、人々の心をつかんで離さないミュージカル最高傑作。 鳴り止むことのない喝采は、舞台からいよいよスクリーンへ
「下請け〜」
始まりました!! 下請けじゃないってこないだ教えてもらったばかりです!! ヒュー・ジャックマン演じるジャン・バルジャンたち囚人が傾いた大型船を引っ張っ…
て、それ人数少なすぎだろ―
あんな巨大な船、いくらヒュー・ジャックマンがウルヴァリンでも無理― いや待て。 ウルヴァリンならできそうですよねw 不問にします そうこうしてたらファンテーヌがスクリーンに登場。
アン・ハサウェイ、あいかわらず顔の半分が目で出来てました
『ダークナイト・ライジング』では仮面しててちょうどよかったんですけどねw 目ぇでかすぎだよ!! そこまでいったらチャームポイント超えてるよ― 出稼ぎにきてるファンテーヌでしたがあっさりいじめにあって娼婦に身を落とします。
娘コゼットが自分の命よりも大切ならいつもそばにいろよ
第一、コゼットあずけてる夫婦こそが人でなしのろくでなしです。 そもそもそのことが信用にまったく足りてません。 そんなに遠くなくてもときどき会いに行けるくらいの距離にいればいいだろ!! 〜そう思ったらファンテーヌの人生はあっという間に大安売りです〜
ぜんぜん理解できないよ
バルジャンが経営する工場制手工業に勤めていたファンテーヌ。 いじめられて工場を追われ身を落とすファンテーヌ。 捕らえられてバルジャンに再会するのは既に病気で死ぬ寸前。
あっという間に“死ぬ寸前”です
物語が長すぎてすべては一瞬の風のように過ぎ去っていきます。 役者たちが底力で演じているのは見て取れます、見て取れるけどなんか“違う” ◎時間の流れが断片的すぎてその描かれ方はどう見ても他人事◎
ぜんぜん感情移入できないよ
だって俺は物語を見てるんじゃなくて人間を見にきてるんです 人間が物語をつくるのであって、物語が人間つくってんじゃあない
バルジャンとファンテーヌ自体には大きな接点などない一目見たことあるくらいの話です。 バルジャンはそんなファンテーヌに異常ともおもえる罪悪感を感じてしまいます。 その一つの疑惑はきっとファンテーヌが“美人”だったからでしょう。 外見とはこんなにも人のこころをとらえるのです なんてこった 見かけの行き過ぎた配役は虚構を助長してしまいます なんてこった 物語がフツーだとしても舞台や映画になると見せ方が重要になり、誇張表現になります。 それはエンターテイメントとして見てもらう商売にするためです。
これが夢を売る商売の正体です 商売はウソなんですよ
言うなればわたしたち舞台人がそれを圧してやる作業はウソをほんものにする努力です これがなければこころを揺さぶる感動など生まれることはないでしょう
結局人間はあらゆるものを美化したいのかもしれません。 だって、物語、特に舞台にはフツーの人間なんてほとんどいないじゃないですか。 極端な物語、極端な人物たち。 わたしたちが生きる世界はそんな極端にできていません。 フツーの人間こそが世界をささえているのです しかし極端であればあるほど人のこころをとらえるのはどうしてでしょう。 なんで?? そんなに現実逃避したいの??
エポニーヌのウエストはCG合成だよね?? あれ絶対人間技じゃないぞ―
わたしはアマンダ・政府ライドが苦手なんですが、今回は顔を手で隠す努力で鑑賞w それは超めんどくさい並々ならぬ努力でした。 この年齢でのコゼットは、どう見ても人間力はこれからの女です。 絶対に“その人間力で”マリウス君に運命を感じるわけがない!! 〜街中で偶然ぶつかったイケメンに運命を感じる〜 外見とはこんなにも人のこころをとらえるのです なんてこった 恋の経験ゼロ、コゼットは即日ジュリエットモードに突入。
あっという間に“永遠を誓い合う仲”です
なんとすばらしいw 自らの正義感が崩れたジャベールは濁流まみれる川にかかる橋の上に。 歌を歌いながら放心状態でふらふら歩きます。 いつ川に落ちてもおかしくない足取りです!! ところが、ところがジャベールは歌を歌いきります。 歌いきってから盛大に川にダイブ
俺だったら歌を歌いきる前に落ちてるね
なんというプロ根性でしょうか!! これが“ザッツ・エンターテイメント”です ラッセル・クロウの歌唱力からジャベールのいい感想はぜんぜん聞きませんけどね。 わたしはジャベールよかったとおもいます。 これまで無駄に悪人面の役者ばかり見てきたものですからw いい人だったなんて初めて知りましたよ
この映画『レ・ミゼラブル』で特筆すべきはマリウス君があまりに好青年だったこと。 わたしはここまで貴族的イケメンのマリウスを見たことがなかったのです。 かつて見てきたマリウスたちは一瞬のうちに消し飛びましたw
なんだかわからんがマリウスがイケメンであるだけで物語に納得できるのだ
それは、マリウスとコゼットが“未来を生きる二人”だからでしょう マリウスとコゼットが美男子と美女であればあるほど未来に期待できるからです 外見とはこんなにも人のこころをとらえるのです なんてこった
気合いでマリウス担いで戦場から離脱したジャン・バルジャン。 バルジャンはウルヴァリンですから少々銃で撃たれたところで死にはしません。 瀕死の長身マリウスを深手を負いながらも担げるんですからね。 娘同様のコゼットに「マリウスと共に生きろ」と手紙を残して姿を消すバルジャン。 市街地での戦闘でマリウスの友人アンジョルラスたちは憤死してしまいます。 奇跡的に生き残ってしまったマリウス君。 その現場で、いなくなった仲間たちに自責の念が突き上げます。 しかし時はあっという間に流れゆきます… 昨日「友よ!」って悔いていたのに、もう明日はコゼットとの結婚式!!! それぜんぜん懲りてないだろ―!? あんまりです ジャン・バルジャンが次にスクリーンに現れたときはもう死ぬ寸前でした。。 またかよ― あんなに元気だったウルヴァ…バルジャンがあああああッッ ウソだろ― これだから嫌だ あんまり極端すぎてまったく胸に響きません 情緒、情緒がないのです しかしそんなミュージカル映画には絶大な力がそなわっていました!!
それは “歌”
その力は役者の演技や大掛かりな舞台セットもまったく関係ありません 歌だけで涙が流れてしまうのです これはどういうわけなのでしょうか 〜もう理屈じゃない〜 映画でなくても、舞台でなくても、歌を聴けば泣ける 謎ですね これがミュージカル『レ・ミゼラブル』を最高の舞台のひとつにしている理由でしょう
わたしは“映画”で泣くことはありませんでした それは“物語”に泣くことでもありませんでした 配役の熱演、細部に至る世界観の構築、衣裳、大掛かりな撮影セット。 どれもすばらしいものだったと思います。 ですが、わたしの個人的な見解では不思議なくらいにおもしろくなかった 正直、映画については大変な出来映えだとおもいます ただ わたしには響かなかった、ということでしょう なぜかまったく心がうごかなかったのです 客席からはすすり泣きも聞こえるのに わたしは本当に不思議な気分を味わいました
『レ・ミゼラブル』 生身の人間が演じるのでなければ面白く感じないんじゃないか、そうおもったのです
つくりこまれるものよりも生身の人間の本気がみたいんでしょうね
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