断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2012年10月28日(日) うみたまご

昨日から一泊二日で大分にきています。
来月、作品を踊るために1週間ほど滞在することになる手始めのような二日間。
そんな中でしたが行ってきたぞ【うみたまご】☆

 【うみたまご】 大分マリーンパレス
 動物となかよくなる水族館へ、ようこそ。

 人間はもともと海から生まれたと言われています。
 無数の生命が生息し、日々進化を繰り返しながら成長している未知の領域「海」。
 そんな海からの贈り物がたっぷり詰まった、全く新しいタイプの水族館。

今年は旭山動物園をはじめ、完成したばかりの京都水族館をも巡ってきました。
こんどはどんな気持ちになるのでしょうか。
やはり海、水族館、水中に浮かんでいることに自由を感じてしまう場所です。
しかし、水中とはいえこんなところに動物を閉じ込めて見世物とされている現実。

 これは人間の罪深さをあらためて知る旅です

入館すぐのM2F。 目の前に広がる別府湾、背にそびえる高崎山。
そんな自然の真ん中につくられた水槽で囚われた動物たちの雄たけびを体感!!

 トドが、トドがっ! トドがぁッッ!!
 でかい。 泳ぎが、動きが速い。

あんな巨体が泳ぐ姿が目の前にありました… す、すごい。すごいぞ、うみたまご☆
見ていてぜんぜん飽きません!!  なんてこった
だってあんな巨躯がこんなに間近で動いてるの初めてなんだよ!! 見やすいしッッ
体重500kg以上もある動物があんなにいきい… むむぅ
進路をすすむとペンギンエリアに着きました。
なんともかわいいペンギンたちがこれでもかという狭い水槽でチャプチャプしています!
ぐあぁ か、かわいすぎ…るうーーーってちょっと待て。
なんだその名前えええええええええええええ

 ◎うみたまごのペンギンたち◎
 光圀、助さん、拡散違った格さん、由美、かおる、八兵衛

いいの?? それいいの―???  わたしは人間の決して贖えない罪を実感しました
し、しんじられない!! 「由美」と「かおる」を分けてどうするのだ!!
もともと一人の人間じゃないか!!  なんてこった
光圀は由美と2004年に結婚、その息子が八兵衛?!  あんまりだ―
いくら親しみやすさからつけられた名前といえど、その安易さに疑惑が後を絶ちません。。
そして、その紹介文。 読めば読むほど更に罪が重くなっていくのを感じました…

 わたし飼育の人からよく「人懐っこいね」って言われるの。
 でも、それはサ・ク・セ・ン!
 だって、甘えるといっぱいお魚がもらえるんだもん!(えへっ)
 わたしから見ると、他の子たちって「世の中をわかってないわね〜」って感じ。
 でも、このことはナイショだよ!  (※かおる紹介文全文より)

わたしは、わたしはこう思いました。「人間はペンギンのことをわかってやしない」
わたしは彼らをひとりひとり名前で呼んでみましたw
「光圀! 助さん! 隠さん! 由美! かおる! 八兵衛!」
そう、ペンギンたちはわたしに目もくれずただチャプチャプ泳いでいたのです。。
〜名前を自覚してるペンギンなんていやしない〜
わたしは、彼らの水槽の前でがっくり膝から折れました。。
とんだ一平方メートルの劇空間です…
まわりの子どもの一人がわたしに向かって叫びます。「お兄ちゃんどうしたの〜?」
その親が叫びます。「しっ!見ちゃダメ!!」

 人間とはなんと傲慢な生き物なのでしょうか

もはやゾンビのようでしたが先に進まねば。 〜振り切らなくちゃ進めないこともある〜
すると特別エリアが見えてきました。
って、え? 水族館なのにどうしてこんなところに収容されてるの―?

 ◎「動くナマケモノ」公開中!!◎
 ふだんは動かない(!?)ナマケモノ
 ごはんはどうやって食べるのかな? どんなふうに動くのかな?
 「動くナマケモノ」で確かめてね!!(時間:午前10:30ごろ・16:40ごろ)
 YouTubeで背信中!見てね!!→「泳ぐナマケモノ」

ナマケモノ、ナマケモノですよ?! 水族館にですよ!!
そこは全方位ガラス張りの水槽ジャングルタンクの上層側面。
ナマケモノの隣には温風ヒーターが備え付けられています!
それはまるでセレブの生活のようでした、しかし真実は違います。
〜見た目が総ガラス張りでも、これは檻の中〜

 ナマケモノ、ナマケモノはまったく動きませんでした

ぜんぜん、ぜんっぜん確かめられないじゃないかッッw
わたしはガラス張りに収容されたナマケモノの前でがっくり膝から折れました。。
〜水族館でナマケモノにここまで時間とられるなんてもう二度とないでしょう〜
無理矢理動かしてもダメです。 自ら意思をもって動いてくれなくちゃダメなんです!!
動くのが見たい、その欲望が人を不幸にすることを学びました。
これはダンスにも当てはまります。
 ダンスでは、動きすぎると観客は簡単にあきてしまいます
そこでナマケモノですw  〜むしろ動かないことこそが人に想像力を与えるのです〜
“次は絶対しあわせになってやる”
先へ進むと今度はイルカプールが現れました。
ボールで遊ぶイルカですが、おもむろにお客に向かってボールを投げてきます!!
突然ボールが飛んでくるんだから驚きますよね。
でもこれは許されたコミュニケーション、いうなれば治外法権ですw
しかし事件はおこります。
お姉さんが前を歩いていたのですが、どう見てもそのいでたちは超美人でした。
イルカはこの美人とコミュニケーションをとりたかったのか、
盛大な水しぶきと共にボールを投げてきたんです。

 美人は一瞬にして水浸しになってしまいました

なんということでしょう… 悲劇的ビフォーアフターです!!
わたしはイルカがそのときどんなことを考えていたのか知りたくなりました。。
〜美人にかわいそうともおもいましたがイルカは楽しくてたまらない様子なのです〜
人と人もわかりあえないけれど、ましてや相手は種族の違う水棲動物!
そこには決してわかりあえないことがある、そんな気がしてならぬのです。
イルカの知能が高ければ高いほどその犯行に計画性があるような気がしてならぬのです。
わたしは早急にその場を立ち去りました。
〜本番を控えるものとして、水をかけられ風邪をひくわけにはいかない〜
水族館屋内へ→ ここでも大変面白い生物に出会うことができましたw

 ◎カメラのご用意を!!!◎
 ウミテングの歩く(?)スピードに注目してみてください! かな〜り遅いです(笑)
 しかしカメラを持っているダイバーには、
 「動きがゆっくりだから近づいて写真が撮れる♪」と意外な評判が!!
 一度見たら忘れられない、独特なフォルムも魅力のひとつです!!
 ぜひ、カメラにおさめていただきたい♪

ウミテング!!凄いぞ小さいぞ!! ってほんとに移動スピードが遅い遅すぎる!!
こんなに優雅な時間の使い方をしてみたいもんですw
歩くにしても水中ですから負担も地上のそれとは比べものになりません。
〜ウミテングはまるで歩行リハビリ中のようでした〜
リハビリを経験してきたわたしにはその歩行がおそろしく崇高なものに見えたのです!!
って言ってもウミテングに足はなさそうだから厳密には歩行じゃないよねw
しかし注目すべきはその水槽の背景でした―
これまでリアル岩場とかそのような趣向でしたのにここでは一変。
まるで絵本・浦島太郎の龍宮城のそれなのです!!

 とつぜん幼児化しちゃったよオイ

これまでのうみたまご超リアル施工が台無しじゃないか―
そんな龍宮城に収容されたウミテングがかわいくて…違った、かわいそうでなりません!
でもいいんです。 ここでは食物連鎖で命を失うことがないのだから
〜これが龍宮城の真実〜

 行き過ぎた安心・安息とは生きる信念をも見失わせるものなのです

水槽だけあるセイウチエリアでは巨躯三体のセイウチがただひたすら回り続けていました
ただただ水槽内を泳ぎながら止まることなく回り続けるセイウチ…
その水槽はセイウチ三頭で満杯でした  〜わたしはここで限界を感じました〜

 このセイウチたちは泳ぎ続けるしかないのだ、とおもいました

その絵はまるで地獄絵図のように苦しかった その姿が今も頭から離れません
わたしたちにはそれぞれ生きる場所があるはずです 動物たちもそれは同じでしょう
しかしそこから引き離すことができるのが人間です
動物たちには自然を変える力はありません
ところが人間たちは自分たちの都合のいい世界につくり変えていくのです
わたしたち人間が他の動物と違うのは生きる場所を自らつくりだせるということでしょう
無理矢理にでも、力ずくでも、です。  〜その力とはなんと強大なのでしょうか〜
これは欲望の力とも言い換えられるかもしれないおぞましい力です
ポジティブに言い換えれば、自らの力で未来を切り開く力とも言えましょう
このことはわたしたちそれぞれにその力がそなわっているものだと言えます
コミュニケーション機器の発達で視覚的に世界は小さくなりました
しかしそれは目に見えるものであってカラダで体感できるものではありません
すべては動画などではなくリアルそのものなのです
一生物が地球に存在する生態系をないがしろにしてはならぬのだとおもいます
わたしたちの力は間違った方向につかってはならぬのだとおもいます


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