断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2012年07月07日(土) 「瑠璃でもなく、玻璃でもなく」

見開き、その一文で購入してしまいました…

 『瑠璃でもなく、玻璃でもなく』   唯川恵
 恋愛は不安との戦いであり、結婚は不満との戦いである。

不安と不満! いきなり手厳しい文言にビリビリきてしまいましたw
それから、購入にはもう一つの理由があります。
それはこの小説がこんな物語設定だからです。

 美月・26歳・未婚・OL・妻がある会社の同僚と不倫中。
 英利子・34歳・既婚・専業主婦・子供なし、バリバリ働く友人を最近眩しく感じている。
 将来像を描けない不安を抱える美月と、単調な毎日に漠然とした不満を覚える英利子。
 恋も家庭も仕事も自由な時間も、他人にあって自分にないものは妬ましい。
 女はどこまで欲張りなのか。
 結婚という選択はどれだけ女の人生に影響を与えるものなのか。

世の女子メンタルを知ることができるとほくそ笑みましたねw
予想はまんまと的中。 おそろしいほど学ぶことができました!!
くぁ〜 すごいぞこの小説う〜
まずは友章くんの講釈より。

 「愛というのは、神経を鎮静化してくれるものだと思うんですよ。
  でも、恋というのは神経を昂らせるもの、つまり、ひとつのエネルギーだ。
  生きるのに、エネルギーは必要でしょう」

 「夫婦って家族じゃないですか」

 「森津さんは、ご主人を愛してます?」
 「じゃあ、恋してる?」
 「会うたび、どきどきしますか?」

 「僕は愛を否定したりはしません。 人間にはなくてはならないものだと思ってる。
  でも、恋というエネルギーを捨ててしまったら、人生の半分を失ってしまうような
  気がするんです。 人は愛がなければ生きてゆけないのと同様、
  恋もなければ生きてゆけないんじゃないのかな。
  結婚したら恋ができないなんて、そんなのつまらない囚われ方だと思いませんか」

この思想?なりを打ち砕けるもっとも簡単な方法は愛と恋を両立できる人でしょう。
えええ?という人もいるかもだけど。  現実にいますよね、そういう人
だから上記の言葉に説得力を感じるひとは両立できてない人だな。
答えは簡単、ひとりじゃ困難。
同じ時間を過ごす以上、必要なのは“両立する努力”ではないかと思います。

 おもしろくすればいいんですよ

だいたい足りていたらよほど独善的なひとじゃないかぎり突飛な行動はしないはずです。
なんたって上記は心の不安につけこんだ理論の強引な押し付けなんですね。
つまりこのような誘惑ができる友章くんほどおそろしい人物はいないわけです。
なぜならリアルに“いたす”かどうかが焦点なんですからね。
そのために“分けて考える”ことを肯定させることを説いているんですから。
ここに傾けばきっと戻れなくなります。  たいへんおそろしいことです
結局選ばなくては不安は振り切れません。
分けて考える、もしくは切り捨てること、それは意外にも楽な選択です。

 どんな人も、努力をつづけることがどんなに苦しいか“知っている”からです

だから、その努力を楽しくしようと申し上げているのですね。
どうせ生きること自体が苦痛をともなうものなんですから。
言葉では簡単に言えますが、リアルそうはいかないから大変なんですよね。
だから“お互いに努力できる”という土台こそが大事なんだとおもいます。

 今だからこそ、見える。
 あの時の私。 あの時にわからなかったこと。
 あの時の失敗。 あの時の大切なもの。
 英利子はデスクの引き出しを開けた

事故後、わたしは過去の自分自身の踊りを見直しました。
いったいどんな踊りをしてきたのか。
最初の頃の稚拙な踊りから直前までの振付家としての自分の踊りまで。
ダンスが楽しくてしかたなかったときを経て、踊れば踊るほど難しくなっていきました。
あらゆるものに雁字搦めだった。
今だからこそ見えるのです
上の恋愛と結婚とは土俵が違いますが、ダンスだって同じようなもんです
独善的な踊りが踊りたいのなら自分が楽しめさえすればいい。
でもそれを超えるなら、超えたいなら、努力が必要です。
ソロでないならお互いに全力をぶつけあうことこそがダンスだからです。
努力をやめたときがおわり   やめるのは簡単
より良い踊りを踊るためには毎日が勝負です
一番つらいことこそ、一番たのしむべきところなのです

この小説はあくまでも女性の視点で書かれています。
しかし、おおよそ幸せはひとりでは手に入らないものです。
最後は自分自身が決めることになるけれど、その前が、一人でない段階が、絶対にある。
自分で決着をつけることは楽です。

 だから頑張るのはその前

人はみんな価値基準が違います。 何事も小さなわだかまりが引き金です。
わだかまりをそのままにしない毎日を、日常を、すごしていきたいですね

って七夕にこんな物語読み終えちゃったよ!!
このblogを見てくださっている方ならおわかりでしょうが、
もうずいぶん同著者の作品を読んできました。
登場人物の心理描写がほんとに丁寧で痛いところをついてきますw   すごい


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