『一瞬の風になれ』 佐藤多佳子 第一部 イチニツイテ 第二部 ヨウイ 第三部 ドン
いよいよ始まる 最後の学年、最後の戦いが 「1本、1本、走るだけだ。 全力で」 最高の走りで、最高のバトンをしよう―
イギリス出発前、読破寸前だった小説を日本に残し、帰国してからようやく読了!! その終盤、めちゃくちゃいいところで日本を発たなきゃいけませんでしたから…
正直に言えば、読み終わるまで行きたくないとさえ思ってましたw
だって“全国書店員が選んだいちばん!売りたい本”【2007年本屋大賞】なのだ。 『夜は短し歩けよ乙女』を抑えて堂々の第一位ですからね。 佐藤多佳子の作品を読むのもこれで三作目。 おそろしく面白い!! ページが止まらない!! しかしそんなわけにはいきませんでした、そのときは読んでる場合じゃなかった―
旅のすべてを体感するため
さぁその旅も終わって戻ってきた今、やっと本が読めますw この本、ダンサーだったらみんな好きなんじゃないかな… 絶対好きだと思う。
十人いれば、十個の身体がある。 どんなにうらやんでも他人の身体にはなれない。 自分の身体と一生付き合うしかない。 でも、自分の身体も鍛え方次第で、どんどん良くしていける。 そして、走り方次第で、その身体の力を100%出し切ることができる。 今、俺はそのことにこだわっていた。 最高の身体を作ること。 その身体の力を全て使い切ること。 自分の身体能力をぎりぎりまで上げて、それをスプリントという形で出し尽くしたかった。 力を使い切る走りは、最高に気持ちがいい。 あの充足感は他の何物でも味わえない。 俺には走れる身体がある。 運命に走ることを許されている。 俺の意志で動かすことのできる身体。 宇宙で一つきりの身体。 いつか確実に消滅する、明日の保障すらない身体だ。
そう、俺にだってまだ動く身体がある! 運命に踊ることを許されている!! ダンサーだったらみんな同じ、ダンサーでなくたってみんな同じ― その瞬間を知っているか知らないか、充足感はやってみないと知ることはできない。 そして…あのとき、病院で目が覚めたとき、あのときの感覚。
身体が動かねえんだ! どうしても、どうしても動かねえ!
あのときの感情が蘇って涙が止まらなかったページもあります。 これまでやってきたことすべてを失って、まだ生きていたわたしは心底“どん底”でした わたしたちの身体には何の保障もないことを知ったのです
俺は希望を持ってなかった。 いや、頭では無理と思っていて、それでも捨て切れない望みに心がしがみつき、 もしや、万一、ひょっとして、と毎日ささやき続けていた。 総体が終わったら、告白はするつもりだった。 すっぱりフラれて、気持ちの整理をしようと思っていた。 希望が生まれてしまった。 大きな希望が。 そいつは、強烈な毒薬のように俺をノックアウトした。 希望というのは、すばらしいことだと思っていた。 明るく輝き、力の素になると。 なんで希望がこんなに苦しいんだ。 恐ろしいんだ。
あ― この気持ちもそう。 がんじがらめになる感情を整理なんかできないよね… 好きって物凄い力です。 おそろしいほど心がとらわれてしまう。 〜理屈ぬきで“好きだ”という気持ちにわたしたちはつき動かされているから〜 しかし続ければ続けるほど“好きだ”という気持ちだけでは足りなくなる。
自分の能力みたいなのに幅があるじゃん 最低から最高までさ その一番上が見えないのがいい 夢とかさ、なんか、そういうことなんだけど、ワクワクできるのがいい やれるかもしれないって自分で思えるのがいい
“わたしがダンスを続ける理由はこれでもいい” そう思った 2011年、おそらくこれ以上の本には出会えないでしょう。 そのテンションは最後まで一気にいきました!!
何なんだろうね ダンスってさ フィジカル、テクニック、メンタル― 世界中のダンサーが日々考えている ダンスって何だろう? どうやったら踊れるんだろう… わたしは理論を考えてしまうけれど、もしかしたら感覚なのかもしれない それぞれに独特のダンスのイメージがあるんだろうな そんな話がもっとできるといい 踊って身体で感じたことや疑問なんかを具体的に言葉にできたら
|