LORANの日記
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空にも、地にも光は至らず
静寂がすべてを支配している。
空に煌めく星が宿り
人はまだ寝息を立てている。
風はなく、木々も眠り、
鳥も、その枝に眠っている。
山の雪は深く
山もまた春まで眠る。
静寂もまた、命の営みにして
その揺籃に、命は育まれている。
眠れ、命よ
安らかに ひそやかに。
かすかに東の空が白み
星は光を消す
頭上まで 白んで来ると
東に朱色の光が現れる
まだ人々の多くは
暖かな布団にまどろむ
1日で最も厳粛な儀式が
いま正に始まる
この世界が
闇から光に変わるとき
生命が再び蘇るとき
眠れる意識が還ってくるとき
それがいまこの瞬間に
静寂の中で始まる
すべてに祝福がある
すべてに歓びがある
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