ぴんよろ日記
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2013年09月21日(土) 月とひねもの

 昨日は中華街の中秋節に行って、おとといは諏訪神社にお月見に行った。気持ちのいい夕暮れから夜に、なにかちょっとしたものをつまみながら、外でビールを飲んだり、子どもらがのびのび遊んだりしているのを見ていると、心底、これ以上なにがいるんだろうと思う。いろいろ考えたり、書いたり、作ったりすることがとても好きだけれど、結局は、昨日やおとといの夕暮れのような瞬間を、よりよい気持ちで迎えるためにやっているのかもしれない。

 「おすわさんの長坂でお月見」が、江戸時代の長崎人のスタンダードだったらしいが、たしかにいい月だった。いわゆる「彦山の月」に関しては、大田蜀山人が「こがん月はえっとなかばい」とかなんとか歌ったということがよく言われるのだけど、よそから来た偉い文化人役人がほめたことを拠り所にしてるってのが、ひねものとしては「長崎弁使ってウケ狙ったんでしょ?よそでもおなじようなことやってチヤホヤされてたんでしょ?」などと、うっかり思ってしまう。本人は純粋に楽しい気持ちで言ったのかもしれないけど、こうしてずーっと、200年経っても、彦山の月をほめるのに蜀山人の詩を引き合いに出さないと気が済まない風潮が、どうも悲しいのであった。


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