書こうとしているエッセイが、なかなか捕まえられない。確実に自分の中を泳いでいるんだけど、心の奥〜のほうにいる大きな深海魚みたいな感じのものなので、なかなか。表面近くを泳いでいるものは、ひょいと網ですくってささっと盛りつけられるのだが、いま書こうとしているものは、そうじゃない。ゆら〜っと泳いでいる影は見えているのだけど。 毎日通る桜並木が、ほんのり赤みを帯びてきた。まだ黒くて固い枝だが、全体で見ると、ほんのり赤い。