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ぴんよろ日記 DiaryINDEX|past|will
自分でも完全に舵取り不能な日々だが、日曜日の朝だけは、ずっと前から楽しみにしていたコーヒーの試飲会に行ってきた。いつもの人町さんが、沖縄の農園で育ったコーヒーを、その場で焼いて淹れるというもの。農園の人ともネットでつないで、話を聞きながら。…と書いてしまうと、すごーく地味な集まりのように見えるが、なんというか、確かになにも派手なことや華々しいことはないかもしれないけれど、静かながらあまりに刺激的な集まりだった。趣味や道楽ではない「なりわい」としてのコーヒー栽培を、一方では「できるだけ自然に近い」やり方でしっかり成立させようとしている農園主のことばは、どれを取っても、ひとっつも浮ついたところがない、地に足の着いたものだった。そして、彼らが作った豆を焼く人町さんが、カラカラと焙煎機を回しながら、あるいは焼き上がった豆を冷ましながら、全身で豆の声を聞いてる様子も、じわじわと衝撃波だった。ほんのひと掬いの豆を、20人ほどがカップ半分ほどずつ分け合って飲んだこと、そのコーヒーの奥底というか芯のあたりが、あまりに澄みきっていたこと、とにかくいろいろなことが、ほえ〜、っと天を仰ぎたくなる感じだった。そしてとても勇気づけられた。自分がこうして生活としてはバタバタと、でも、ひとつひとつにはちゃんと手をかけて書いたり作ったりしていることは、きっと誰かに届くはず、と。番組のコメント書きも、あと10分ぶんほど。ひとことひとこと、しっかり見つけていきたい。
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