ぴんよろ日記
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2012年11月17日(土) 4Bイタコ

 雨。雨はいいなぁ。なにがあっても、雨の分だけは静かになれる。

 番組編集、火曜日にはケチョンケチョンにダメ出しされて大幅改造し、おとといには逆転ホームラン的オッケーが出て、昨日はスーパー作成とコメント書き。テレビというのは、まずそこに映ってる人や風景があるし、さらには音があって、音楽もあって、編集があって…とにかくたくさんの要素の複合体なので、そこに乗せるナレーションというのは、かなり「答え」がみつけにくい。さらにそれを読む人の雰囲気だったり声だったり、そういうものもまたからんでくるし、なんと言っても、受け取る人が「読む」わけでなく、「聞く」ものなので、いわゆる「わかりにくい」言葉はアウト。活字では何の問題もない漢字の言葉も、熟語的なものもダメ。スッと耳に入ってくる、一種、ありふれた言葉しか使えないのに、ストライクゾーンはかなり狭いという、なかなかのツワモノなのである。実際にでき上がったものだけ見れば、なんてことないシンプルな言葉の並ぶ原稿なのだけど、自分の中だけから取り出して、字だけの画面でだーっと書くのとは、そこに至るまでの集中度と取捨選択と葛藤などなどが、明らかに桁違い。体力と感覚を総動員して「全方向イタコ」しないとできない。ということで、今回もやっぱり手書き。キーボードでは絶対ムリ。4Bの鉛筆でゴリゴリと、そして常にブツブツいいながら、消しゴムのカスもどっさり。昨日は、30分のうちの6分ぶんを生産できた。

 1週間も締め切りを待ってもらっている原稿があるので、さすがに今日はなんとかしたい。これがまた、テレビのコメントとは対極にあるような文章なので、頭…というより体の切り替えができなくて書けなかった。文体、っていうけれど、こうしてみるとたしかに「その体」になって書いてる気がする。番組のコメントと硬めのエッセイは、使う言葉がまったく違うのでおなじ体では書けない(やわらかいエッセイは、編集するカメラマンの後ろでそっと『内職』可能)。しかも「番組用」って、私の中ではかなりパワーのいるものなので、変身するとなかなか「帰って」こられない。さらには体は生き物なので、そのコンディションもからんでくるし、…そんなことはいいから、早く書け〜!(いやいや、これを書くことで、モードチェンジとチューニングをしておるのです…きっと…)


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