ぴんよろ日記
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新しい本の発売に向け、ひたすら、おまけの小冊子や広報資料作り、書店営業などする日々。前の「長崎迷宮旅暦」で、なんとなく不完全燃焼のまま終わった分野なので、今回はしっかりやろうと決めている。大切に作った本だから、ちゃんと売りたい。たくさんの人に読んでもらいたい。
何日か前に、ヒコとくんちの稽古を見に行った。ダンナとミサキンは家に残し、スクーターに乗って、祭り好きの2人で、ぷらりと。 そしたら、いかにも「取材です」という雰囲気を漂わせた人がちらほらいて、「あぁ、私もああだったんだろうな…」と思う。ノートやらバインダーやら抱え、「なにかをつかまえなければ!」と、ギラついている、あの感じ。時に「取材だから、入れないところにも入れてください、ここだけの話も聞かせてください」という、なんらかの特権を手にしているかのような空気をまとった、あの感じ…。 そして思った。私はもう、「取材」はしない。 生活者として、あるいは旅行者として、見ることができるもの、聞くことができたものだけをもとに、考えたりしていきたい。「取材」すれば、たしかに何かしらのことをつかまえ、形にすることはできる。でも「取材」することで、見えなくなるもの、とりこぼしてしまうものが、絶対にある。いかにも「取材です」って、ギラギラしている人からは、サッとその身を隠すものが、間違いなくいるのだ。私のこれからは、そういうものと、そっと対話することだと思っている。 …なんてことも、さんざん「取材」しつらかしてきたから言えることなので、若い人たちはがんばってください。「取材」だから得られるものも、もちろん、あるので。そしてきっとその先が、またあるので。
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